第128話 泉の女神の正体


鉄の斧を放り込んだのに泉は何も反応しなかった。


「アリス、なんだこれ?」

「様子を見ていました所、グレードを下げた物しか返さない様ですね。ソウシ様。」

「こんな胡散臭い泉の女神は放っては置けないな。サファイア。」

「はいぃ、何でございますすぅか。ソウシ様。」

「サファイアは水泳も得意だったな?潜ってあいつを捕まえて来てくれ。」

「はいぃ、畏まりまししたぁ。ソウシ様。」


サファイアはいそいそと魔術師風のメイド服を脱ぎ、下に丁寧に折りたたみ立ち上がると、そこにはデカメロンちゃんがいた!この子おどおどしてて口調だけだと貧乳キャラっぽいんだけど、実はメイドール一番のダイナマイトボディなのだ。脱ぐと凄いんです私的な?ビキニの水着から溢れんばかりのプルンプルンが非常に眩しい。水泳が得意なだけあって水着がとても良く似合う綺麗な青髪の子だ。ゆっさゆっさ眼福眼福。


サファイアはいきなり頭から泉に飛び込んだりはしない、豪快に飛び込めば格好は良いが水深が浅すぎたり水の底に岩でもあったら即死だ。地球にもそんなおバカな動画あったよね、良い子はアホの真似はしないようにね。足からそっと水つけ異常がないか確認、水温に慣らしながらゆっくり水に入っていく。真の達人とはこういうものなのだ。


サファイアが潜って、暫く待っていると・・。


ブクブクブクブクッ、プハァ!


「ソウシ様、つつ捕まえてぇ、参りまししたぁ。」

「サファイアご苦労。そなたは美しくそしてぷるんぷるん素晴らしかったぞ。水につかって体が冷えたろう、馬車に戻って温めて休んでいなさい。」

「はいぃ、きょ恐縮ですす。ソウシ様。」


サファイアは一礼してメイド服を抱え、ゆっさゆっさ揺らしながら馬車に入って行った。うん、あの子のメイド服水着風にした方が良かったかもな。いやギャップ萌がいいんだ。


「いやぁ、放してよ!あたしは泉の女神様なんだからね!」

「女神を騙るとはお前いったい何者だ?正直に言わないと・・。」

「しょ、正直に言わないとあたしをどうするっていうの?」

「お前の3か所のポッチをぜーんぶ同時に押してやるぞ!」

「らめぇ!3か所いっぺんに押されたらあたし気持ち良すぎて狂って死んじゃうぅ。」

「じゃあ正直に言うんだ。」

「あたしは水の精霊のウンディーネのディネって言うの。太古の湖を守っていたのよ。」

「太古の湖ってここの事か?」

「そうよ。北のドライアドのリアと私は同時期に生まれたの。で、この湖の管理を任されていたのよ。」

「任されたって誰に?」

「知らない、忘れちゃった。」


「そうか忘れたのか、だがなんで女神のフリをしていたずらをしたんだ?」

「暇だったから?」

「こいつめ、ポッチ押すぞ?」

「きゃあ!でも一個だけならいいですよ?ていうか本当に暇で仕方なかったの。」

「ドライアドのリアさんの所に一緒に連れて行きませんか?ソウシ様。」

「そうだな、一緒に生まれたとかいってたしな。ディネ、リアの所に行くか?」

「行きます行きます、暇なのがとても辛いの。」


俺たちはディネをかぼちゃの馬車に乗せ泉を迂回して北にみえる世界樹に向かった。




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