第127話 大森林中央の泉へ行く
地図で気になっていたんだが、大森林中央にはまんまるの真円の泉があるのだ。泉と言うより湖の大きさだな。ちょうど世界樹の南になる。北のキツネ獣人区からもたらされた噂によればそこに女神が現れると言うのだ。
「俺は女神と言えばエリス様しか知らない、この世界には他にも女神が存在するのか?アリス。」
「いえ、私は存じ上げません。ソウシ様。」
「アリスが知らないのか、ちょっと北の方に遊びに行ってみようかアリス。ドライアドのリアにも会いたいしな。」
「はい、行きましょう。ソウシ様。リアさんの体液もまた貰いましょうか?」
「あれは美味しかったな、実を言うとまた飲みたい気分だ。頼むよアリス。」
「はい、お任せください。ソウシ様。」
出かけると解ると少々お時間をと言ってアリスは女神ファッションにお着替えしてきた。エリス様の天衣を模した薄い羽衣だ。泉の女神に会いに行くからか合わせてきたようだ。かわいい。お供はエメラルドとサファイアだ。かぼちゃの馬車でお出かけして行く。
途中キツネ獣人区に寄って泉の話を聞き、かわいらしい女の子が差し出すしっぽをもふらせてもらった。獣人のしっぽは性感帯になっているらしく、その女の子は顔を赤らめて目を細め気持ちよさそうにしていた。
俺が強制したわけじゃないよ?俺に触られると御利益があるとか何とか言ってありがたがられるのだ。行く先々で老若男女みんなしっぽを勝手に差し出してくる。女の子が絵的に良いからそう書いているだけで、実際はじいさんばあさん男までみんな顔を赤くしてるんだぞ。誰得だよ。
というわけでまんまる泉にやってきた。
俺はスキルで創造した金の斧を泉にいきなり放り込んだ。
ポチャン!ブクブクブクブクッ、ザッパァーン!
目の前に水色の透き通るような美形の女が現れた。女神と言われればまあそれっぽくもあるが、エリス様を知っている俺にとってはまがい物だ。
「あなたが落としたのはこの銅の斧でしょうか?それとも銀の斧ですか?」
「鉄の斧だけど?」
「はい、鉄の斧をどうぞ~。」
女神はニタア~っと三日月形に口を曲げて笑うと泉に消えて行った。キモッ。
銀の斧を創造して泉に放り込んだ。
ポチャン!ブクブクブクブクッ、ザッパァーン!
「あなたが落としたのはこの鉄の斧ですか?それとも銅の斧なの?」
「鉄の斧だよ。」
「はい鉄の斧ね。」
女神はにこっとしながら鉄の斧を渡して泉に消えた。
銅の斧を創造して泉に放り込んだ。
ポチャン!ブクブクブクブクッ、ザッパァーン!
「あんたが落としたのって鉄の斧でしょ?鉄の斧だよね?」
「うん。」
「はいこれ。」
女神はそっけなく泉に消えて行った。
鉄の斧を創造して泉に放り込んだ。
ポチャン!ブクブクブクブクッ、シ~ン・・。
そして何も戻ってはこなかった。
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