第32話 アリス姫はカボチャの馬車がお似合い
翌朝、朝食を食べた後のんびりしていると、アメシストが報告にやって来た。メガネをクイっと上げ書類を片手に読み上げる姿は、まるで出来る秘書のようだ。
「ソウシ様、ゲンサンから報告書が来ております。」
「ん?どうした?」
「エリス神殿街=南西のダークエルフの里、及びエリス神殿街=北東のエルフの里を繋ぐ街道が建設終わったとの事です。報告書によりますと道幅20mで片側10mの2車線、両里ともに全長5㎞で、神殿前広場南に大ロータリーを設置、今後の混雑も予想し神殿の1㎞手前に分岐点2本ずつ縦横に街道を設置、ここから他の集落に順次街道を繋いで行くとの事です。エリス神殿を中心に周囲1㎞は既に整地し終わり、街路は順次施設して行くと報告が来ております。」
アメシストはメガネ再度クイッと上げて傍に控えている。
「そうか、仕事が早いなゲンサンは。俺のドールクリエイトのスキルで街の細々とした建物まで全部創る事は良くない、人だって同じだ。ドールハウスで創るのは重要施設とか主要建物だけに限定する。アメシスト、ゼネコンの規模を中にして現場監督、会計事務、設計等ドールを20名ほど配下として送る、今後は一般受注も開始して良いとゲンサンに伝えておいてくれ。」
「畏まりました、ソウシ様。」
アメシストと入れ替わりにアリスがお着替えしてやってきた。
シンデレラドレスを着ている。淡い水色でレースをあしらったいわゆるウエディングドレスだ。ちゃんとガラスの靴も履いている。アリスはまるで本物のお姫様のようだ。いや本物以上だ。アリスはドレスが皴にならないよう俺の隣にちょこんとお行儀よく足を揃えて座っている。髪もアップにしているので崩さないように頬をそっと撫でる。かわいい。
◇
◇
しばらくアリスとたわいもない会話をして遊んでアリスパワーを充填した後。
「よし、アリスが乗るかぼちゃの馬車を創ろう。街道が開通したらしいから、それに乗ってダークエルフの里に行ってみよう。」
「かぼちゃの馬車とか素敵です!嬉しいです。ソウシ様。」
俺は目を輝かせているアリスの手を取り外に出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます