第22話 エリス神殿中心都市を創る計画①
「「ソウシ様、討伐完了いたしました。」」
「2人とも良くやった。強くそして美しかったぞ。」
「「あり難き幸せ。」」
「これはリーダーシャドーウルフの魔石です。素材を消し炭にして無駄にしてしまい申し訳ありません。」
「気にするなガーネット、人命優先だ。オオカミの小汚い毛皮なんかいらないから別に良いさ。これが魔石か、初めて見るな。1つ手元に置いておくか。」
エルフ達は最初浮足立っていたが一応迎撃態勢は取っていた。あっという間に2人が討伐してしまったのでエルフの活躍の場はなかった。
「アリス、俺は神殿を中心に都市を造ろうと思うんだ。エリス神殿街とでも名付けるか?どうだ?」
「ソウシ様!素晴らしいお考えです!」
目を輝かせアリスは珍しく飛び上がって喜んでいる。よほど嬉しいらしい。なでなで。アリスはきゅぴぃを抱っこしたまま俺に身を委ねている。アリスのもち肌の頬をそっと撫でてあげる。ほんのり暖かいアリスの頬が赤く染まっていき、フローラルな香りが漂ってくる。
「はふぅ、ソウシ様ぁ、アリスはうれしいですぅ。」
アリスが溶け出さないうちに、立ち話もなんだから、まずエルフを収容する施設でもつくろう。エルフ達をよそに神殿の西側に向かう。
「ドールハウス!議事堂!」MP8000。
ドドーン!
いきなり議事堂(小)が現れた。白黒エルフ達は口をあんぐりと開けたまま目を白黒させている。ま、最初はな。エルリーナは見慣れたのか平然として誇らしげに見ていた。
「み、御使い様、この建物はなんですじゃ?」
「ああ、これは議事堂と言って会議をするところだ。とりあえずみんな入ってくれ、話がある。中には小会議室もあるから、後で族長同士で長年のわだかまりを解くと良い。」
みんなで議事堂の中にぞろぞろと入っていく。
俺は壇上に登り宣言する。
「俺はここエリス神殿を中心とした都市を創ることにした。」
「「「おおっ。」」」
「ここは元々神殿の遺跡があり守護も置かれていた、場所に何か意味があるのだろう。場所的にも辺境で訪れるものも少なかっただろう、だが守護者たるエルフとダークエルフ両名はエリス様の御名忘れてしまっていた。」
「「「恥じ入るばかりです。」」」
「この街の名前はエリス神殿街と名付ける。これならばエリス様の御名を忘れようがないからな。」
「「「おおっ、さすがは御使い様。」」」
「街の名前になり都市化すれば他から人が集まり流通も増え、エリス様の名前を知る者も増え広がることだろう。今は名を忘れられたエリス様は力を失っている、神殿だった遺跡が廃墟と化していたように、荒廃が進んでも止める力がないのだ。」
「「「我らが御名を忘れ守護せぬばかりに。おかわいそうなエリス様、済みませぬ済みませぬ。」」」
エルフ達は五体投地してとうとう泣き出してしまった。
アリスが隣で慈愛のこもった声音で言う。
「エルフ、ダークエルフの皆さん達、泣くことはありません。ここにおられるソウシ様こそエリス様が自ら力を委ねし慈悲深き尊き御方なのです。今この時ソウシ様が地上に降臨なされたことを好機ととらえ喜ぶべきなのです。」
「「「何とお優しい聖女様、ありがたやありがたや。」」」
アリスは天使のほほえみでエルフ達に語りかける。天使のアリスかわいい。
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