第27話 小さな魔獣対策①

黄昏時屋敷に戻ってきたらうさぴぃが飛びついてきた。悲しそうに俺の胸に顔をこすりつけてむぐむぐしてくる。真っ白かったふわふわの毛並みは薄汚れあちこち毛玉が出来てゴワゴワだ。酷い。


「きゅぴぃぃ。」

「きゅぴぃはどうしたんだ!どこの魔獣にやられた?駆逐してやる!」

「はっ、神殿に居たエルフの里から来た小さな魔獣達にやられたようです。ソウシ様。」

「なんだって?ものの数時間でこんなにボロボロにされたのか?可哀そうに。アリス?」

「はい、ソウシ様。クリーン。」


きゅぴぃをアリスに預けると、すぐさま元のふわふわの真っ白な毛並みに戻った。


「きゅぴぃちゃん、もう大丈夫ですよ。よしよし。」

「アリス様、さすがです。」

「いえいえ、これくらい側近のたしなみですから。」

「アリスは本当に偉いなぁ。」


なでなでなでなで。


「ふにゅ、それほどでもないですぅ。ソウシ様ぁ。」


アリスはまんざらでもない風な顔で頭を俺の手に押し付けてくる。肩を抱き寄せ頭ぽむぽむしてあげる。アリスはぽむぽむむのたびに目を閉じて気持ち良さそうにしている。


「それにしても小さな魔獣か、これは厄介だな。」

「そうですねソウシ様。追い払うこともできませんし。」

「はっ、斬り捨てることもかないせん。」

「可愛すぎるのも問題なんだな、アリスももみくちゃにされないよう気をつけろよ?」

「可愛過ぎるだなんて・・・そんな。」


アリスは頬を赤らめ下を向いてはにかんでいる。かわいい。


「そう言えばエルリーナとダクネはどうした?戻ってないようだが?」

「はっ、エリス様の巫女として神殿に寄宿することにしたようです。」

「そうか、敬虔なことで何より。良い巫女になるだろう。」


俺の創ったドールハウスの中に居ればオートプロテクションが効いてて安全だから、女の子だけでも大丈夫だろう。食料その他の備品はオプションとして自動で補充されるしな。こんな快適なドールハウスは他に類を見ないだろう。さすがエリス様だ、その辺の神とは格が違う。


「「「ソウシ様、アリス様、お食事の用意が出来ました。」」」

「分かった、今行く。今日はカレーだろう?スパイシーないい匂いがするぞ。」

「「「はい、辛めのビーフカレーでございます。」」」



「美味い!カレーはたまに無性に食べたくなるんだよな。アリス、この世界にカレーはあるのか?」

「ございません。スパイスを使った辛い料理はありますが、カレーほど洗練された味ではないようです。」

「そうか、そのうち街にカレー専門ショップでも創ってやるか。」

「美味しいですからね、皆さんも喜ぶと思います。」


食事後アリスと戯れ、お風呂に入り、エリス様にお祈りしてその日は就寝した。



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