第115話 貴族は腐っている

あー三日月うざかった。俺は気分なおしにアリスを抱き寄せ匂いを嗅ぎまくった。アリスが溶けかかった頃、指示出しをした。


「ペリドット、いるか?」

「ここに控えてございまする。ソウシ様。」

「ペリドットは丁寧でお淑やかだから使者に向いている。ワ―レン共和国の使者が帰る時にこちらの使者として付いて行ってくれ。土産は何が良いかな?アリス。」

「そうですね、大森林特産のエルフ謹製のりんご酒とダークエルフ謹製のぶどう酒などは如何でしょうか?ソウシ様。」

「そうだな、それにしよう。クマゴロの所の蜂蜜酒も付けよう。残る物も欲しいな、この間商業ギルドで魔物を売り払った時、魔石だけ残しておいたな?アリス。」

「はい、魔石は純度の高い物は魔結晶と言って濃い紫色で宝石のように綺麗ですから、贈答用に高額で取引されておりますので、売らずにとっておきましたね。」

「それもアリスと見繕って持って行け。荷物の輸送はアキンドに依頼して、貴賓用の馬車(馬飾り付き)を俺が創造しておくから、ペリドットは使者一行とそれに同乗し一緒に行って来てくれ。」

「はいでございます、畏まりましてございまする。ソウシ様。」



「パールとラピスラズリ、それにサファイアはいるか?」

「「はい、ソウシ様。ここに、なのです。ですの。」」

「はぃぃ。ななんでございましょうかっ。ソウシ様。」

「あの三日月の貴族な、また放火でもされたらかなわんからパールとラピスにちゃんと国に帰るか監視してもらいたい。何か仕出かそうとしたらサファイアが対応してくれ。即応出来る様に映像リンク攻撃を許可する。」

「「はい、畏まりましなのです。ですの。」」

「はいぃ。かしここまりましてございますすぅ。ソウシ様。」


話しているとアメシストがスタスタやってきて、めがねクッッとした。


「ソウシ様、今リゾートホテルから連絡がありまして。最上階の1フロアの各部屋に生ゴミが沢山ぶちまけられていて壁や床を汚しまくり、調度品その他備品が打ち壊されていたとの事です。」

「あの月みたいな貴族の仕業か、子供じみた嫌がらせだ。衛士に処理させろ。」

「犯人は既にチェックアウトを済ませて、もう街を出てしまった後のようです。」

「そうか、三日月は追跡しているから捉える事は出来るがそれでは腹の虫がおさまらん。子供の仕出かしたことは親の責任だな。奴に命令してここに来させたのはオタカ王国とか言ったな?トパーズ!」

「あい、ソウシ様。ここに。」


「リゾートホテルのゴミを全部回収して、飛行基地の輸送飛行艇クジラのセナカに乗せて発進するのだ。オタカ王国の王宮に上空からゴミをぶちまけてそっくり返してきてやれ!その後で一応ホテルの清掃費と調度品の弁償を要求してみろ。応じなければ王宮を徳利型に土壁で覆って中に魔物の臓物でもブチ込んでやれ!その後はお前の判断で好きにしろ。絶対に謝るまで許すな。あんなバカ貴族を寄越した責任はとってもらうぞ。人手が必要なら近衛を連れて行くといい。」

「あい、了解です。近衛10名お借りし手配してから飛びます。ソウシ様。」


リゾートホテルの最上階1フロアを貸し切っていたのはあのツキミッカと言う貴族だったらしい。横暴で我儘、傲慢で自己中、ロクな事しねえな貴族って。



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