第201話 カニづくしパーティ
塔のダンジョン30回ででっかいエビっぽいカニを討伐した俺達は城に戻った。
「「「お帰りなさいませ、ソウシ様。」」」
「うんただいま。今日は蟹がとれたから中庭でカニづくしパーティーしよう。」
「「「わあー!」」」
「アリス出してやってくれ、俺は地下で酒を見繕ってくる。」
「はい、ソウシ様。これがカニみそで、これがカニの爪で・・・。」
酒を持って中庭に行くとカニの甲羅をひっくり返した大鍋でカニ鍋がグツグツ煮えていた。周りには焼蟹やらカニしゃぶしゃぶやらカニの天ぷらやらカニクリームコロッケやら蟹玉やら色々カニ料理が並べられていた。
「よーし、みんな好きな酒を持て。」
「「「はい。」」」
「エリス様の世界にカンパーイ!」
「「「エリス様とソウシ様にカンパーイ!」」」
「「「「「チーン!」」」」」
「よし、早速カニを食べてみようようか。」
「「「はーい。」」」
メイドール達はきゃいきゃいとカニ料理をつついてめいめいに好きな酒を飲み始めた。
「ソウシ様、何を召し上がりますか?」
「ん?そうだな。かにしゃぶをアリスの口移しで頼む。」
「まあ。ソウシ様ったら。はい、あーんして下さい。」
「あーん。じゅる、ぱくちゅうもぐもぐごっくん。」
「半生のかにさん甘くておいちい。アリスの味が一番わかる食べ方だ。」
「ぃやん。ソウシしゃまのいじわるぅ。」
「アリスフカヒレ酒あったろ。あれ飲むか?」
「ソウシ様のお口で温めた物を頂きたいです。」
「わかった。ほらほらアリス。出ちゃうぞ、じゅる。」
「ちゅるちゅるゴクリ。ソウシ様のお味がとっても美味しいです。」
「ほら、焼蟹も食べろアリス。」
「むぐっ、ぁん。おおきくてはいらないでふ。」
「どれ、半分食べてやろう。ぱくっちゅ。」
「ソウシ様。カニ天もどうぞ、はぐっちゅちゅ。」
「アリスごとはむはむ。もぐちゅちゅ。」
「ソウシさまのくちびるぱくっちゅちゅ」
「ちゅぱくぺろ。」
「ぱくちゅちゅ。」
俺とアリスは夢中になってカニを食べあいっこしていた。気が付いたらメイドール達が胸のブローチを抑えて息を荒くし顔を赤らめながら俺達をじーっと見ていた。
「どうした?みんなカニ食べないのか?嫌いか?」
「いえ、あの。ソウシ様のお口からみんなに一口ずつ賜りたいのですが。」
「みんな小鳥の雛みたいにあまえんぼうだな。いいぞ、そこに並べ。」
「「「はい!」」」
ガーネットから順番に俺の口の中のカニの身を吸い取るように食べて行った。カニと言うより俺の口を吸っているのだが可愛いものだ。舌を入れてきたのはダイヤモンドか。普段無口なくせにやることが一番大胆な子なのだ。一緒に住んでいると言うのもあるが俺はこの子たちの個性が大好きなんだ。みんな我が子の様に可愛くて仕方がない。キスは家族とのスキンシップである。とても大事な事だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます