第117話 亜人とは?
「「ソウシ様。報告がありますの。映像見てくださいなのです。」」
「パールとラピスラズリか。わかったスクリーンに出してくれ。」
「「はいですの。なのです。」」
動画がスクリーンに流れる。魔族の砦から出た軍が荒れ地の湿地帯のワニ人の所へ向かい無血開城をして中に軍が入って行った。開城とは言うが城などないただの集落だ。会話を聞くと自ら魔族を迎え入れているようだった。映像が切り替わりヘビ人、カエル人の所にも同様に行っていた。
「アリス、この軍の指揮官らしき下がヘビで上が裸女みたいのはなんだ?」
「ラミア族ですね。マーメイドと同様に女性だけしか居ない種族です。」
「一口に魔族って言ってもいろいろいるんだな。」
「はい、魔族とは種族名ではなく、魔に長けたものと言う意味なのです。」
「ということは魔族はみんな魔法が得意なのか?」
「いえ、魔と言うのは魔法のことではなく魔力そのものと言う意味です。魔法も含めて身体強化や変化の術と言った魔力依存の異能を得意とするものの総称です。」
「初めて見たがこのワニ人やヘビ人やカエル人だかが亜人なのか?人の顔を全くしてないじゃないか、人とはかけ離れすぎている様にみえるが?」
「亜人とは人の様に見えるものの総称です。例えばカエル人は舌が伸びて獲物を取って食べたり、普通のカエルと交配して卵を産んでオタマジャクシが生まれたりとカエルそのものの生態をしています。」
「なんだそれは、カエルが二本足で立って人語を操っているだけじゃないか。それは人とは呼べないのではないか?」
「そうですね。人間との交配も出来ませんし生態も爬虫類のカエルそのものですから、人と呼ぶには無理があると思います。」
「獣人と亜人はどう違う?」
「獣人は特徴的な耳と尻尾があるだけで姿形も生態も殆んど人間と変わりません。リス獣人は小柄で素早くクマ獣人は大柄で力持ちぐらいの違いはありますが、人とも交わって子を成しますので、そこが亜人と違う所ですね。」
「魔族も人と交配出来るのか?」
「出来る種族と出来ない種族がございます。」
「マーメイドは何に分類される?」
「マーメイドは獣ではないので獣人ではなく亜人と呼ばれますが、人との交配はできます。」
「あのラミアが接触している者たちは全部人とは交配できないんだな?」
「はい、出来ません。ソウシ様。」
「俺はこの世界の先入観が無いからな、今映像で見た荒れ地の亜人がどうしても人には思えんのだ。分類の仕方を変えた方がいいとすら思っている。」
「はい、ソウシ様の御心のままに。」
「エリス様が創造されたこの世界で人と交配できないのは、やはり人とは違う別の生き物として創造されたのだと思う。2足歩行で人語を喋っているのは何らかの進化エラーなのだろう。」
「そうですね、ソウシ様。」
「俺は決めた、亜人とは人の顔を持ち人間と交配出来るものとする。人間と交配出来ない二足歩行の人っぽいだけの人の顔を持たない生き物は“二足歩行動物”と呼ぶことにする。アメシスト、エリス神殿街の各所に通達せよ。」
「はい、畏まりました。ソウシ様。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます