第9話 エルフの里に行く、途中魔物に遭遇②
「スケアクロウ!」
ワイルドボアの動きはピタッと止まり、3体ともピクリとも動かない。どうやら案山子状態になったみたいだな。MP消費は30、1匹あたり10って所か。解体機能付きの「マネキン=MP消費60」でもよかったけどまあいい。既に魔物はこと切れている。カカ死とか洒落てんな。即死魔法と変わらんぞこれ。
死なせずに動けなくするドールスキルもあるのだが、魔物だし下手に生かすと危ないから討伐したほうがいいだろう。
「ソウシ様、さすがです。」
アリスは両手を胸の前で組んで顔を赤らめポウ~ッっとしている。
「御使い様、そのワイルドボアはもう死んでいるのですか?」
「そうだよ、そっくりそのままよりバラバラに解体した方がよかったか?」
「いえ、傷一つない方が価値があります。この魔物は素材の宝庫なので、皮良し肉良し骨良し、魔石も取れますし捨てる所がございません。」
「ふぅん、エルフって肉も食べるの?菜食主義とかじゃないんだな?」
「はい、森の恵みは何でも頂きます。ワイルドボアは美味しいお肉です。」
「じゃあこれは君たちにあげるよ、手土産代わりに里に持っていこうか。」
「え?いえ、御使い様ありがとうございます。ですがこの大きさで3体も運ぶとなりますと応援を呼びませんと。」
ぽわぽわしていたアリスがすっと前に出てきた。
「ソウシ様、私が運んでもよろしいでしょうか?」
「ん?アリスがやってくれるなら構わないよ。」
「では早速、異空間収納。」
体高3mもある大イノシシが3体ぱっと消えてしまう。エルフ達は何やらざわついている。
「せ、聖女様も凄い奇跡の力をお持ちなのですね!」
「いえいえ、これくらいは側近としてのたしなみです。」
キリっとした顔でエルフに答えている。うん、凛々しいアリスもかわいい。
「アリスは本当に優秀だなぁ。良くやった。」なでなで
アリスは目を細めて気持ちよさそうににへら~っと溶けたアイスみたいになっている。始めて見せる顔だな。アリス超かわいい。
可愛いものを愛でる事は俺の幸せなのだ。無限に力が湧いてくる。愛が無ければドール作家など務まらぬのだよ。あはは。
「よし、とりあえずエルフの里に行こうか。」
「はい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます