第10話 エルフの里にて①
ワイルドボアを倒して少し歩くと集落が見えてきた。周囲は木の柵で囲って櫓が2棟建っている。木戸の門があり見張りのエルフが数人居た。すると出迎えの者らしきエルフが出てきた。
「エルリーナ様、見回りご苦労様です。そちらの方は?」
「創造主エリス様の御使いであらせられるソウシ様と聖女アリス様です。」
「創造主エリス様とは?」
「私たちは長らく神の御名を知りませんでしたが、その御名がエリス様と今日初めて知りました。立ち話では失礼です詳しくは族長に。」
「これはご無礼を、ご案内いたします。」
集落を見回すと家々は普通のログハウス風だった。エルフと言えツリーハウスじゃないのか?俺の思い込みだけどな。子供達がわらわら出てき来て、遠巻きにしてキャイキャイ騒いで俺たちに付いてくる。子供でも耳は長く尖っているんだな、いつ見ても可愛いな子供は。
などと思っているとひときわ開けた広場と大きな屋敷が見えてきた。
「どうぞこちらです。」
「ちょっと待て、アリス土産を出してやってくれ。」
「はい、異空間収納。」
ぽぽぽん、っと大きなイノシシが3頭広場に現れた。
「これは途中で遭遇して狩ったものだ、里の皆でどうぞ。」
「御使い様よりの賜りしものです。皆で分けなさい。」
エルリーナガ指示を出すと子供たちがすっ飛んできて大イノシシに駆け上って大興奮で遊んでいる。大人たちは解体道具を持ち寄って集まってきていた。
俺たちは屋敷の中の族長の部屋に通された。
「父上!今日神の御名がわかりました!エリス様と仰るのですよ!」
「エルリーナ慌てるでない、なぜ分かったのじゃ?」
「こちらの御使い様と聖女様に教えていただきました。近くの遺跡、あれはエリス様を祭る神殿だったのです。」
「わざわざご足労かけてすみませぬな、ワシは族長をしておるエルウィンと申しますじゃ。」
「初めまして、俺のは名はソウシ、よろしく。」
「アリスと申します、お見知りおきください。」
「ワシは齢800年を生きておるのじゃが、先代様も神の名は知らぬと仰っておられてな。神の御名を知ることは我らの悲願だったのじゃ。御使い様、聖女様、感謝致しますぞ。」
爺様口調だが30代そこそこにしか見えない若い男が深々と頭を下げた。この見た目で800歳か、エルフ永遠の謎だな。
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