第160話 ビッチーナ暗殺計画③


ビッチーナの居場所をつかんだ暗殺ギルドジゴクノサターンの3人の暗殺者は殺しの段取りを決めていた。


「まずヒロシャツ、おめえさんが扇動された民衆に紛れて毒矢で仕留めてみろ。これで死ねば一番楽だ。」

「僕の愛用の吹き矢チョンピキで狙いは外れたことないから!大丈夫っす!」

「よし、いけ!」


民衆に紛れた中防のヒロシャツはビッチーナが誠心誠意謝っていて頭を下げた瞬間を狙った。この瞬間はじっと動かなくなるからだ。狙いは頭頂部、毒矢は深く刺さる必要はない、掠っただけで致命傷になるのだ。


「チョンピキ行け!」


プッ。


「終わったっす。」


ピッ。


「うぐぅ。」


パタン!


ヒロシャツはその場で倒れ込み死んだ。


解説しよう。ヒロシャツは確かに狙い通り吹き矢を放ったのだが、護衛の衛士に2本指で毒矢をつかまれ直ぐ投げ返されたのだ、それが吹き矢チョンピキの筒を貫通しヒロシャツの喉に毒矢が刺さってしまったのだった。


「ヒロシャツの野郎しくじりやがって。次はマラドーダ、おめえさんがビッチな元聖女を誑しこんでくれ。おめえさんのぶっといのでビッチなんかいちころだろ?」

「オンナは幸せの絶頂デワタシのモノを受け入れテ、快楽の中で死んでゆくのですヨ。」

「そらうらやましいこった。女はいいねぇ。」


ビッチーナがねぐらのキャンピング装甲車キリカKに乗り込もうとした時、何者かに呼び止められた。


「ソコの素敵なオジョウさん、ワタシの見てくダサーイ!ドーダドーダ、マラドーダ!すごいでしょウ、うずくでしょウ、欲しくなったでショウ?」

「なんですかその汚らしいモノは?近寄らないで、変質者怖い。衛士さんお願いします。」


ズシャ!スパーン!


「ギャアアー、ワタシノ大事な商売道具が無くなってシマッタアアア!とても痛いデスゥゥ。」


殿中の陰から飛び出てくる変質者おじさんみたいにコートを広げて汚らわしいモノを見せつけていたマラドーダは、衛士に下腹部についてるモノ全て切り飛ばされ出血多量で死んだ。小汚いモノは野良犬が咥えて行ったという。


「ったくどいつもこいつも使えねえな。こうなりゃあっしが行くしかあんめえ。ひっさつ回転斬撃!」


シャキンッ!グルグルグルグルッ!


キキンッ、ズシャ!


「ウギャアー。」


回転斬撃とは2つの剣を水平に広げ自ら回転して相手を膾に切り刻む技である。別に大層な技でもないので衛士が回転を止めて普通に刺し殺したのであった。


こうしてビッチーナの暗殺計画は全て返り討ちにされ失敗に終わり幕を閉じた。



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