第159話 ビッチーナ暗殺計画②


マッカウソー枢機卿がマキアゲリッチ侯爵上屋敷を辞した後。


「ジゴクノサターンのギルド長を呼べ。」

「はい、さっそくに。」


帝都、マキアゲリッチ侯爵上屋敷、地下の秘密の拷問部屋の横の覗き室。


隣の拷問台には前日に買い付けた奴隷女の腹を掻っ捌いて内臓を引きずり出し女の口に食わせた様な惨たらしい惨殺死体が乗っていた。血みどろの臓物の臭いがたち込めている。マキアゲリッチは猟奇殺人が趣味の鬼畜男だった。


「御前、私をお呼びとの事で?」

「ああ、ご苦労。そちを呼んだのは他でもない。人一人始末して欲しいのだ。」

「どこの何様でございましょうや?」

「ビッチーナと言ってゴルドステ教団の元聖女だ。諸国連合のエルマール王国に居たことまではつかめている。今はどこにいるかは知らぬが、民衆を扇動しておるので居場所は簡単につかめよう。」

「民衆を扇動して回っている教団の元聖女ですか、難しゅうございますな。」

「その方らにとって女の細首刎ねることなど造作もないであろう?」

「その女一人ならば簡単ですが、民衆を扇動しているのならば必ず護衛や仲間が居りますもので。」

「確かにそうかもしれんな、では金貨100枚で請け負うてくれぬか?」

「腕利きを集めますので金貨200枚は頂きませぬと。失敗してもよろしいので?」

「いや、この仕事は必ず成功させてくれ。そちの言い値の金貨200枚で良い。その代り必ず仕留めるのだ。頼んだぞ。」

「わかりました。御前、吉報をお待ちくだされ。」



地下暗殺ギルド、ジゴクノサターンのギルド長室。


「この仕事は御前のキモ入りだ、絶対に失敗は出来ない。ゆえに報酬も莫大だ。誰を送る?」

「ターゲットはビッチな女なんでげしょ?男を咥え込ませてサクッとぶっ刺しゃいいじゃねえですかい、お頭ァ。」

「ギルド長と呼べっつってんだろ、俺たちゃ山賊じゃねえんだぞ!だがビッチには男を当てるのはいいかもしれんな。誰がいい?」

「そうですな、女誑しのマラドーダで良いんじゃねえですかい?あいつならビッチ女なんて股からダラダラ垂らしていちころでさぁ。」

「よし、男で誑かす作戦の暗殺者はマラドーダで行こう。他には?」

「そうでやんすねぇ、民衆を扇動してるんなら民衆に紛れて猛毒の吹き矢で仕留める矢毒ガエル使いのヒロシャツとかが適任じゃねえですかい?」

「うむ、民衆に紛れ込む暗殺者はヒロシャツで行こう。もう一人欲しいな、3段構えで万一の失敗も許さない。」

「んじゃあ、あっしが出向きましょうか?あっしの回転斬撃なら護衛もろとも膾でござんすよ?」

「そうか、副ギルド長のお前が行ってくれるならこの仕事は成功したも同然だ。頼んだぞ。」

「へいへい、あっしに任しておくんなせえお頭。」

「お頭いうな!」



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