第213話 女心と分け身の術

「アリスすまんな。裸踊りと言うのは方便だ。しかしミリアは如何すりゃいいんだ?」

「わかっております。ソウシ様。一時的な恋煩いなら問題ないのですが。私の見た所本気のようですね。」

「憐れに感じてちと過保護過ぎたのがいけなかったか?」

「いけなくはありません。優しさは美徳です。ソウシ様はミリアさんがお嫌いですか?」

「嫌いではない。性格も真面目だし責任感の強い良い子だ。嫌いならあそこまで肩入れはしないだろ。」

「では好きなのですね?ソウシ様。」

「好きっちゃ好きだが。女としてと言うより妹?とかそういう感じで可愛いんだよ。最初見た時が小学生みたいだったからな。」

「ですがあの子は実年齢16歳ですよ?ソウシ様。」

「いやもう見た目が子供だからダメだろ。犯罪だ。」

「それでは見た目が年相応に成長すれば女として見れると言う事ですね?ソウシ様。」

「そりゃあな。俺も男だから女体には反応はするだろうが・・。」

「ではバンパイアの種族を守るために・・。」

「いやいやいや。バンパイアも血を吸うと子供が出来るとか言う落ちならいいが。」

「眷属ならともかくバンパイアの繁殖方法は人間と同じですよ。ソウシ様。」

「じゃあアリスが居るからダメってハッキリ言うか。」

「それですと私が恨まれてしまいますよ。ソウシ様。」

「仕方ない。嫌われるように嫌な悪い男を演じてみるか。」

「マーメイドを見ればわかると思いますが。一度ソウシ様を好きになった女性は死んでも絶対に諦めないと思います。それに憎い訳でもないのにわざと女の子を邪険にするなんて可愛そうではないですか。」

「それはそうだが・・じゃあ如何すりゃいいんだ。教えてくれ。アリス。」

「そうですね。分け身の術を覚えてみませんか?ソウシ様。」

「俺は忍者か?ダイヤモンドならできそうだが。」

「いいえそういう見せかけの術ではなく。ソウシ様は生身のドールが創れるではないですか?それに魂を分離させて込めるのです。記憶や感覚を全て共有できます。完全に自分と同じ人間が2人に成れる術なのです。」

「ふむ。それならば俺はアリスといちゃいちゃしながら。他の女の子もいちゃいちゃして満足させてあげられると言う訳か。アリスはそれでいいのか?」

「はい。同じソウシ様に創造された身としましては。メイドール達のソウシ様への恋い焦がれる様子を見ていていじらしくて可愛そうになりましたもの。」

「なに?メイドール達が俺に恋焦がれているだと?」

「丸わかりではないですか。皆ソウシ様にそっくりなお人形を欲しがるのですから。気づいて無いとは言わせませんよ。ソウシ様。めっですよ。」

「う、うむ。実は薄々は気づいていた。まさか人形で貫通はしてないだろうな?」

「それは大丈夫です。硬くならない柔らかい素材ですし。初めてはソウシ様へ捧げるとみんな一線は越えず色々な方法で処理していますので。」

「初めてを人形で貫通したら悲しいからな。俺の大事なドールたちにそれだけはさせたくない。でも何でアリスはそこまで知っているんだ?」

「それは女の秘密です。深くはお聞きくださいませんよう。ですから分け身の魂分離スキルを覚えて頂けますか?ソウシ様。」

「わかった。アリスがそこまで言うのなら覚えよう。あまり女の子を焦らすのもかわいそうだ。可愛がって安心させてやろう。」

「それでこそ私の大好きなソウシ様です。チュッチュ!」

「アリス可愛すぎだろ。俺も大好きだよ。チュッチュ!」


そして俺は分け身の魂分離と言う超スキルを覚えたのであった。いよいよ人間離れしてきた感じがするな。まあいっか。誰も損はしないし。

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