第112話 3国からの使者②
エリス神殿街も発展して来て人口増大中だからついでに衛士も200程創造して増やしておいた。人が増えれば変なのも混じってくるのは道理。全員が善人ではないのだ。犯罪予防と治安の維持には必要なのさ。
次の日の午前 ワーレン共和国の使者が謁見の間に通されて来た。赤絨毯の両脇には近衛ドールがずらりと微動だにしないで並んでいる。俺は玉座に座り、左側にアリス、メイドール達がその横に左右分けて並んでいる。アリスは正式なお姫様ドレスでティアラを付けていた。
ワ―レン共和国の使者と補佐か何かの御付きが2名後ろに控えていた。付いてきた護衛達は別室に控えている。3人ともちょっと震えているようだ。近衛は見た目重視で可愛い女性ドールで構成している、威圧感は無いはずなんだけどな。
アメシストが告げる。
「ソウシ様、こちらがワ―レン共和国の使者、外務大臣のウエムラ殿でございます。」
「お目通りが叶い恐悦至極に存じます。」
「大臣自ら来たのか、して用向きは何かな?」
「はい、旧アシヤ王国とは国交があり友好国でしたので、引き続き同様の国交を結びたく思い首相の代理として参上した次第でございます。こちらは友好の証の贈り物でございます。どうぞお納め下さい。」
後ろの2人が何か色々前に出して並べている。珊瑚やら宝貝やら鼈甲に南洋真珠、螺鈿細工とか、いかにも竜宮城の乙姫の所にありそうな海のお宝って感じだ。
「エリス神殿街は街であって国ではない。従って国交を結ぶ事は出来ない。だが友好は歓迎する、贈り物も頂戴しよう。」
「あり難き御言葉を賜り感謝いたします。」
「ところで、ワ―レン共和国は海洋国家なのか?贈り物がみな海の産物の様だが。」
「はい、当共和国は海に広く面しており海運や漁業が盛んでございます。こちら様のマーメイド区のマーメイドたちとも古くから交流がございまして。」
「マーメイドは女だけのか弱い部族だから、俺も少々過保護になってしまってな。海上要塞を設置している。害意を持って近づくと消し炭になって跡形もなく消滅するから気を付けてくれると助かるよ。」
「えっ?か弱い!?いえ、はい。かよわいマーメイドたちに不埒な真似は致しませぬゆえ、消し炭にするのはどうかご勘弁を。」
「勿論害意が無ければ近づいても何ともないから、今まで通り付き合ってあげてくれ。」
「さ、左様でございましたか。わ、わかりました。」
「贈り物を貰ってばかりでは悪いな。こちらからも返礼の使者を送るとしよう。帰りに同行させても良いかな?」
「は、はい。勿論でございます。あ、いえ、贈り物を頂くなど恐縮でございます。」
なんか途中からしどろもどろになってきたぞ。何であんなにビビってんだ?とって食いやしねえよ?
ワーレン共和国との謁見は無事終了した。
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