第138話 マーメイドの秘密②


腕を組んで綺麗な砂浜を眺めている俺、遠くではマーメイドたちがキャッキャウフフと浜辺で遊んでいる。子が生まれなければマーメイドはいつか死に絶え、この絵になる景色も無くなってしまうのか。


「心情的には力になってやりたいのだがなぁ、俺はアリス一筋な・・。」

「ソウシ様!アリスは、アリスは、マーメイドたちが居なくなる世界を見たくありません。」


目に涙をいっぱいためてうるうるしたアリスがじっと見つめて俺に訴えかけてくる。


「他の男じゃダメなのか?例えばアキンドとか、エルフの区長達とかまだまだ現役らしいぞ?ティガーとかも頑丈そうだ。」


「絶対にダメ・・と言うわけではございませぬ。可能かどうかで言えば生殖行為自体は出来まする。ですが愛さぬ殿方のお種では受精率が著しく劣り無精卵になってしまうのです。望まぬ相手との子は産まれない様に出来ているのです。我ら一族全員のものが御使い様でないと嫌、出来なければ滅んでもいいとまで申しておりまして・・願わくばお情けを。どうかどうかお願い致しまする。愚かな女のわがままをお許しください。」


マリアンヌは平伏したきり砂浜に頭をこすり付けて頭を上げてこない。俺が首を縦に振るまでこうしているつもりなのだろう。


「アリス、良いか?俺にはこのマーメイド達を滅ぼすことなどできない。」

「はい、ソウシ様。マーメイド達を、その種族を守ってあげてください。」


「話は聞いたな?マリアンヌ。」

「は、はい。有難うございます御使い様。お口添え感謝いたします聖女様。」


そして家々を回ってスることとなった。最初は区長マリアンヌである。


ムチュウゥゥッ、プハァ!


「お種を有難う御ざいます。御使い様。」

「え?キス?これだけ?」

「受精の義はつつがなく終了でございます。」

「種入ってるの?これで子供出来るの?」

「はい、出来まする。マーメイドは下半身の構造が人間とは違います故、愛をお互いの口で求め合う種族なのでございます。」

「そう、そうなんだ。へえ。」

「下をご覧になりますか?」

「そうだな、後学の為に見てみよう。」

「どうぞご覧ください。」


マリアンヌはぴらっと貝殻ビキニの下を横ずらししてアソコ見せてきた。なるほど女の子の道具は全部そろっている。


「普通だな、女として特におかしい所はないが?」

「魔力で足やお股を構築しているに過ぎないのです。実際の構造は魚尾のままなのでございます。」

「うん。下で出来ない事は解った。」


それからマーメイドの家々を回りムチューをしまくった俺は、吸われ続けて唇がたらこに腫れてしまった!


なんか腑に落ちずむしゃくしゃする俺はクラーケンを狩って解体しまくった。マーメイドは魔寄せの唄と言うのが歌えるんだとさ。それで俺の種を受けたマーメイドたちが喜んで歌い沢山の魔物を呼び寄せてくれた。サハギンも来たけどマーメイドが出店に使うんだってよ。あのグロい手足焼き出すんだろうか。


「マネキン!ドールブレイク!マネキンマネキーン!ブレイクブレイクブレイーーク!」

「はい、異空間収納。収納。収納。」


アリスは阿吽の呼吸で回収してくれる。俺のパートナーはやっぱりアリスだ。なでなでする。かわいい。



城に帰ってきてその夜、俺はエリス様に愚痴り気味に祈った。


俺はアリス一筋なのに、覚悟を決めてシしようとしたんですよ?シリアスがぶち壊しじゃないですか。


仕様ですから。マーメイド種族は救われました。ありがとうソウシさん。


エリス様の声が聞こえた気がした。


仕様ですか、そうですか。




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