第164話  シルフィードも痴女!?


大森林の全てもエリス神殿街と化しし街道網でつながったある日の朝、俺は城の中庭に出て薔薇園を愛でていた。アリスの肩を抱き一緒に散歩しながら薔薇を見て回る。朝露に光り輝き目の覚めるような青薔薇がとても綺麗だった。


そいつはピューっと風と共に突然やってきた。


「御使い様ぁーシルフィードのフィーちゃんが遊びに来たよー♪」


風に乗り小柄で黄緑色のワンピースを着た可愛らしい女の子が高速で俺に向かって飛んでくる。両手両足を広げて抱きつこうかという体制でしかもスカートが思いっきり捲れていた。履いてねえ!痴女だ痴女!と思った瞬間俺の顔にブチ当たった。ドシーンとはいかずポスッと言う感じで当たった。丁度お股を広げて俺の鼻先にスポッとはまった形だ。その後も離れずだいしゅきホールドを俺の顔にかましてコアラのように俺の顔にしがみついている。風の精霊なので重さはほとんどないので倒れはしなかった。


「御使い様ー。あたちの体液飲んでくださいー。」

「むぐっ!おびばなべろべんだいぜいれび!」


俺は猫の子を摘むようにフィーをぺりっと引っぺがし横にポイっと捨てた。


「プハッ、いきなり何て事しやがるんだ!俺の鼻がマリアナ海溝にすっぽりはまったじゃねえか!窒息したらどうすんだ、こんにゃろ。」

「えー、だってサラマンダーのサラちゃんから聞きましたよー?サラちゃんを裸にひん剥いてー舐め回す様に見てー体液美味しいって言って飲んでだって言ってたもん。」

「確かに飲んだがそんな飲み方してねえよ!女だって言い張って勝手に脱いでお椀とクレバス見せて来たたんだサラは。そんなに飲ませたければちゃんと飲み物らしくグラスに注げグラスに。」

「フィーさん、ソウシ様のお顔にかけてはいけませんよ。こちらに来てください。」

「はい。」


2人はいそいそと薔薇の生垣の陰に隠れて一緒にしゃがんだ。チョロッ、シャーという音を背後に聞きながら、中庭にはお茶をするためのガーデンテーブルがあるのでそこに向かった。俺は椅子に座ってハートの恋人ストローを創って待っている。メイドール達は日よけ用のパラソルをさして待機していた。暫くするとアリスとフィーは立ち上がり、グラスをトレーに乗せてアリスが運んでくる。グラスには並々と無色透明で泡がぽつぽつと上がっている液体が入っている。炭酸水みたいな感じだ。


「ソウシ様。シルフィードの体液は体力気力MAX効果及びAGI最大値上昇効果がございます。是非ご賞味ください。」

「うん、アリスもこっちおいで、一緒に飲もう。」


アリスのモチモチほっぺに頬を付ける。頬むにゅむにゅと押してみるとアリスも負けじとむにむに押し返してくる。やわらかアリスかわいい。そしてストローで一緒にチューッと啜った。


「うっまああい!口の中を風が吹き抜けるようにクールでシュワシュワだ!蜂蜜の様な花の香りのする甘味とレモンの様な酸味と香りが織りなすハーモニー。うまい!もう一杯!」

「とても美味しいですね。ソウシ様。」

「美味しいって言ってくれてフィーはとっても嬉しいです。御使い様、聖女様。」


フィーはえへへーとはにかんで下を向いて上目づかいで照れていた。


原初の精霊はみんなハレンチだなと思っていたが、でもそれは俺達人間の先入観であって、花はそもそも蜜を出す花弁が生殖器そのものだ。つまりお花は性器をこれ見よがしに見せつけて咲き乱れている訳だ。おしべとめしべ習ったろ諸君。


そう考えると蜜がアソコから出ても別に不思議でも何でもない。飲んでくれと一生懸命出している花の蜜を美味しく頂いて何が悪い。ミツバチは性器に頭から突っ込むエロ昆虫だとでも言うのか?違うだろ。これをエロいと思う奴がむっつりドスケベのド変態なだけなのだ!


これは命を繋ぐ尊い行為、自然の摂理である。エリス様の創造は何も間違ってはいない。


貴方ならきっと分ってくれると信じていましたよ。ソウシさん。


エリス様の声が聞こえた気がした。



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