第55話 神殿のアップグレード
外には犬猫獣人は勿論、栗鼠(リス)獣人、狐(キツネ)獣人、鼬(イタチ)獣人色とりどりのもふもふ・・こほん。いや獣人さん達が押しかけてきていた。兎(うさぎ)獣人の区長も来ていた。皆うら若い女の子を連れている。巫女にするつもりなのだろう。
リスのしっぽいいなーもふりてーとか俺が現実逃避気味に眺めて獣人たちを見回していると、アキンドが先頭に居て話しかけてきた。
「だんさん、おはようさんどす。商い先でエリス様のお話しとったら、皆来たい言いはりますんで連れてきましたわ。」
「おいアキンド、なんだこの数?小動物系の獣人全部連れて来たのか?」
「さいです、エリス神殿街と街道でつながった近隣の獣人はん全部でおま。」
「取りあえず代表で、そうだなそこの、栗鼠獣人に話をさせよう。」
「ははーっ、御使い様、聖女様、私めは栗鼠獣人の族長ゼロリス、この娘は孫のクラリスと申します。エリス様の巫女を務めさせて頂きたく連れてまいりました。他の獣人たちも同じでございますれば、何卒エリス神殿街の傘下に入れて頂きたく伏してお願い申し上げまする。」
「御使い様、私はクラリスと申しますリス。エリス様の巫女にならせてくださいリス。」
ぺこりとお辞儀をするお目めがくりっと大きな可愛らしい小柄な獣人の女の子だ。リス獣人なのでしっぽがとても大きい。触りたい、とてつもなく触りたい。
俺の隣にいたアリスがすっと一歩前に出て、慈愛のこもった声音で言う。
「みなさん、こちらに居られる御方こそ創造主エリス様より力を授かり地上に降臨なされたソウシ様なのです。慈悲深き御方ゆえ皆さんの望みをかなえて下さることでしょう。何も心配は要りませんよ。」
アリスを抱き寄せて俺は告げる。
「俺の望みはただ一つ、エリス様の御名を忘れないで欲しいと言う事だけだ。エリス様を悲しませないでくれ。現役の巫女がエリス様に仕えていて御名を忘れる事は無いと思うので、各種族から1名巫女を出してもらっている。」
「「「ははーっ、あり難き幸せにございまする。」」」
どうしようかな。今の神殿じゃ入りきらんなこの数。MPは・・・100万こえてる!創れるぞ。ガーネットを使いに出して神殿から一時人を全部出させエリス神殿に向かった。獣人たちもぞろぞろと付いてくる。
「ドールクリエイト!ドールハウス!大神殿!」MP1000000。
ドドドドドーーン!
旧神殿がなくなり新しいエリス神殿にアップグレードした。真っ赤で荘厳な大鳥居をくぐり、暫く進むと左手にお池と庭園、右手に神楽殿 中央を進むと中殿。奥に正殿がある立派な大神社だ。獣人たちは口をあんぐりしている、いつもの事だ気にしない気にしない。
「エルリーナをこのエリス大神殿の巫女長とする。」
「畏まりました、御使い様。」
「ダクネとマリリンは副巫女長とする。」
「畏まりーっ、御使い様っ。」
「畏まりましてございます、御使い様。」
「昨日のバニラをはじめ大勢の新人の獣人巫女を抱えて大変だろうが、3人で巫女教育頑張って進めてくれ。」
「「「はい。」」」
「それから族長や村長とか呼び方がまちまちだが、エリス神殿街は街なので全て区長と言う呼称に統一する。」
「「「ははーっ。承知いたしました。御使い様。」」」
「折角だから真新しい神殿でエリス様にお祈りして行こうか。」
「はい、ソウシ様。」
アリスが嬉しそうに腕をからめてきた。ふにふにしてて柔らかい。かわいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます