第54話 報告を受けていたら

兎獣人村から帰ってきた後、エリス神殿にバニラを連れて行った。先輩巫女たちは妹が出来たと言ってキャイキャイと大変喜んでいた。女の子は華があるな。


翌朝、パールがやってきた。


「ソウシ様、報告がありますの。今しがた獅子獣人に動きがありましたの。軍を起こして東に向かう様ですの。」

「そうか、勝利した獅子獣人側が東に軍を向けることは予想の範囲内だ。とりあえず追跡監視だけしててくれ。」

「はいですの。」


朝食後、アメシストがメガネクイッとしながら報告しに来た。もう完全に秘書ポジションだなこの子。だがお高くとまった後輩いびりが好きな行き後れのお局様臭くは無いよ。学級委員長と言う感じで賢い優等生肌なのだ。


「ソウシ様、報告が2件ございます。1件目はゲンサンからの報告で、エリス神殿街周辺の小動物系の獣人集落との街道網が完了したそうです。特に他に指示が無ければこのまま大森林街道の拡張を続けたいとの事です。」

「そうか、ゲンサン仕事がはやいな。そのまま街道は拡張で良いと伝えてくれ。あと一つは?」

「はい、クロサメ病院からでして、今日未明虎獣人の大男が急患で担ぎ込まれ、御使い様に取り次ぎを、と言ったきり意識を失い重体のようです。現在昏睡状態で集中治療中との事です。」

「虎獣人は重体なのか、だが奇跡の外科医と言われたクロサメなら何とかするだろう。意識が無いんじゃ話しする事も出来ないな。意識が戻ったら連絡するように言ってくれ。」

「はい、畏まりました、ソウシ様。」


アメシストからの報告を受けおわると、アリスがお着替えしてきた。

エリス様の着ていた天衣と同じものだ、今日のアリスは後光が差しているようでとても神秘的でかわいい。

お茶をしながらアリスといちゃいちゃしていたら何やら外が騒がしい。ガーネットが外に見に行ってすぐ戻ってきた。


「ガーネット、どうしたんだ?」

「はっ、サカイどのが大勢の獣人をつれて来て、ソウシ様に面会を求めております。ですがここには入りきれません。宜しければ外にお願いします。」

「わかった、アリス行こう。」

「はい、ソウシ様。」


アリスを伴って外に出ると、色々な種類の小動物系獣人たちがズラリとそろって平伏していた。


エー?


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