第20話 ダークエルフ!①

俺たちが神殿前の開けた空き地に行くと、左右両サイドに分かれて昨日のエルフ集団と見知らぬ褐色肌のエルフが対峙していた。


「騒がしいな、エルウィン族長なにをしている?」

「これはこれは御使い様、神殿で祈りを捧げていたら、このダークエルフどもが急に襲撃してきましてな、迎え撃つつもりでしたのじゃ。」

「ダークエルフと言ったか、お前らは何で神殿を襲うのだ?」

「貴様は何者じゃ?白エルフどもに味方すると敵とみなすぞぃ。」


こいつも爺様口調だな、エルフは若作り爺にこだわりでもあるのか?きっとダークエルフの代表か何かで偉いのだろう。


「俺はソウシ、別にこっちのエルフの味方というわけではない。この神殿は俺が創ったのでな、襲う理由を聞いてるだけだ。」

「ここは古い朽ち果てた遺跡だったはずじゃ、何故このような立派な建物があるのじゃ?」

「そんなことはどうでもいい、襲う理由を聞いている。」

「それはここが我らの領域であるからじゃ、エルフどもが我が物顔で占拠していると報告があったので駆け付けてきたのじゃ。」

「なるほどな。だがここはエリス様の神殿だ、襲うことは許さん。」

「エリス様とはなんじゃ?」

「この世界を創造したお方の名前だよ、知らないのか?」

「儂も昨日知ったばかりじゃが、この御方は創造主エリス様の御使い様と聖女様なのじゃぞ。」

「・・・。」


ダークエルフ達は黙り込んでしまった。


「ところで双方の白黒エルフ達双方に言うが、神殿の維持管理も出来ずあれほど朽ち果てさせておいて我らの領域とは何事だ?」

「「うぐぅっ。」」

「うぐぅではないわ!維持管理も出来ないくせに領域などとのたまう資格などお前らには無い!」


俺は叱りつけるように言った。エリス様によって長命を賜った種族のくせに、エリス様の名を忘れて争ってばかりいるエルフ達にむかついたからだ。


「で?エルフ達が争う理由はなんなんだ?」

「分かりませぬ、先代様から遺跡は渡すなと教えられたに過ぎませぬのじゃ。」

「儂も知らぬのよ、先代様から遺跡を死守せよとしか言われておらぬのじゃ。」


こ、こいつら!

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