第143話 12姉妹の休日


城から出されたメイドール達はエリス神殿にお参りした後、アキンドのデパート商館に向かった。街を歩くと誰もが振り向く美女揃いだ。


「あれは、お城のメイドさん達じゃないの?」

「とてもお綺麗よね~。うっとりするわぁ。」

「あのメイド服は2つと無い特別らしいぞ。」

「御使い様の12使徒だ!全員そろってる!」

「パールたんラピスラズリたんぺろぺろ。」


何時も同じメイド服を着ているが彼女たちの言によれば、ソウシ様の愛を感じる、のだそうだ。寝る時は主の創造した下着と寝巻用に創造して与えられたネグリジェ姿になるが、自分専用のメイド服は片時も手放さない。デパートでも服飾売り場は素通りだ。各階層の売り場を見て回る、城で大抵のものは揃うので見て回るだけだが、女の子はそれが楽しいのだ。


昼食にしようかと展望レストランに行く。


「いらっしゃいませ、ご予約承っております。こちらへどうぞ~。」

「私達は予約などしてないが?」

「御使い様より承っておりますので。どうぞこちらです~。」

「わかった、行こう。」


展望レストランの眺めを堪能する、城は高い尖塔も有るのだがめったに上ることはない。居住スペースは1、2階にほとんどあるのだ。ここでもみんなの注目の的だった。


「お待たせしました、こちらが海の幸盛り合わせとこちらが山の幸盛り合わせ、そしてお菓子とフルーツてんこ盛り合わせでございます。どうぞごゆっくり~。」


全部楽しめる様に量はちょっとずつだが、レストランで出せる殆んどの料理の盛り合わせがそこにはあった。これなら色々食べてみたい女性に嬉しいお食事だ。


「ソウシ様に感謝して頂くぞ。」

「「「はい。」」」


そしてメイドール達が食べ終わる頃を見計らい、ウエイターがレストランカートをガラガラ押してやってくる。え?もう食べられないよ私達。という表情だ。


「こちら御使い様よりお預かりしておりました、皆様へのプレゼントでございます。」


布をとるとそこには12個の小さな箱が置いてあった。1つずつ自分の名前が書いてある箱を開ける。そこには名前と同じ宝石で出来た装飾されたブローチがあった!


「「「わぁ!」」」


メイドール達は感極まって胸に押し抱いてフルフル震えている。頬が赤くなり鼓動が早くなる、そしてお腹の下辺りがキュンキュンしてしまう。女性ならば仕方のない事だ。これ以上外を出歩くのはマズイと判断したガーネットはお城に戻ることを決断する。


「みんな、城に戻るぞ。」

「「「はい。」」」


足早にお城に戻っても主はちょうど出かけていて居なかった。主が居なくて良かったと12人全員ほっとした。


「「「それでは、解散!」」」

「「「はい。」」」


みんなそれぞれの自室に内股になって駆けこんだ。そして12人全員下着を取り換える羽目になった。ぐしょ濡れの下着を脱ぎ捨てると女の匂いが部屋中に立ち込める。各部屋からは主が帰るまで暫らく上気した嬌声が聞こえていたという。


戦闘メイドール達の宝物が一つ増えた日だった。




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