第46話 アキンドからの情報①

屋敷に戻ってアリスをくんかくんかしていたら、案の定サカイアキンドが訪ねてきた。


「「「粗茶でございます。」」」


俺のメイドール達がてきぱきと紅茶を淹れて置いて行く。お茶請けはレーズンサンドだ。


「御使い様のだんさん聞きましたでぇ。お菓子工場とか言うもんつくりはりましたんやてな。」

「耳が早すぎだろ、アキンド。」

「商売は早い者勝ちでっせ、地獄耳でのうてはもうかりまへん。同業者に出し抜かれてしまいまっさかい。」

「商人にも商道があるのだったな。ところで宿はどうだ、休めたか?」

「いやもうそれがカミさんと娘が大はしゃぎで宿から出たがらんのですわ、せやから今日は宿に残してきましてん。」

「まあ、あのホテルは余暇を楽しむためのもので。色々遊ぶところも多いからな。家族サービスしてやるといいさ。」


「このお茶請けえろう美味いでんな。」

「それか、レーズンサンドと言ってクッキーにクリームと干しブドウを挟んでいる。黒エルフの里でブドウが採れるからな。これも工場のラインナップに連なるだろう。」

「早速取り扱わせてもらいま。ところでだんさん、ワテの商売仲間が近くに来とりましてな、獣人はんの集落で異変があったらしいんですわ。」

「何があったんだ?」

「ワテも詳しくは知りまへんのやけどな、長らく争っていた獅子獣人が虎獣人を負かしはった言うとりましたわ。」

「何で急に虎獣人が負けたんだ?」

「大まかに言うて、この大森林におりはる獣人は虎獣人派で西の荒れ地側が獅子獣人派だったそうですわ、何でも獅子獣人が中立だった熊獣人を味方につけた上に虎獣人側が豚獣人の裏切りにあってしもて、ほんでパワーバランスが一気に崩れたんだそうですわ。」


「なるほどな。アリス、マップを地図用紙に出してくれ。」

「はい、マップ召喚。ソウシ様、これに。」

「アキンド、その獅子獣人と虎獣人の集落の場所はわかるか?それに他の獣人がどの辺に居るかも分る範囲でアリスに言って書き込んでくれ。」

「承知でおま、これからエルフさんとこの里から小動物系獣人はんたちの集落回ろ思とりましたんでだいたいの場所は解りまっせ。」、


アキンドは、こことここでんな、こことここがあれでんがな、ここはあれでまんがな。そうでんがな。とかアリスに情報を流している。


俺はパールを呼んだ。


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