第166話 ラミアのミアリミア


話しは武闘大会直後あたりに遡る。


西の砦の魔族ラミアのミアリミアに心情の変化があった。武闘大会決勝で負けた事はそれほど気にしていない、自分より強いものなどいくらでもいる。色々と情報を集めに出向いたついでに出ただけなのだ。そしてミアリミアが戻って直ぐ魔族砦では結果的にラミアの指揮官が傘下に入れたヘビ、ワニ、カエルの二足歩行動物が魔族から離反した。


俺達は全知ではない、基本的に魔族砦しか監視してないので誰かが他に出向いた先での出来事までは一々知らないのだ。ラミアのミアリミアは武闘大会から帰ると各所に出向いていた。


「私は魔王様の命により魔国の住民を増やせと言う命令でそなたらを迎え入れました。ですが大森林のエリス神殿街という所で開かれた武闘大会に出向き、色々見聞きしてそなた達とは相容れぬ種族と知ったのです。」

「何を知ったんですかい?ミアリミア様。」

「そなたらは人間ではなく二足歩行動物だと言う事をです。」

「あっしらは亜人て言うれっきとした人間の亜種族ですぜ?」

「違うのです。イボキチ、そなたはイボガエルのメスと交尾して卵を産ませ、おたまじゃくしに成ったそうではないですか。」

「それが何か?子供が増えておかしいですかい?」

「そなたの生態は蛙そのものです。彼の地では人間と交配できぬものは亜人とは呼ばないそうです。つまりそなたは爬虫類という動物なのです。ですから我らと共に歩む事は出来ないのです。」

「じゃああっしらはどうすればいいんですかい?」

「カエルはカエルと、ヘビはヘビと、ワニはワニと、同種で交配して仲良く暮せば良いでしょう。」



「魔族にも人間と交配できずかけ離れ過ぎた種族が居ます。編成し直す必要がありそうですね。魔王様に進言しなければ。」


とエリス神殿街に行ってからミアリミアは思う様になった。


こんな感じでワニとヘビの所にも同様にミアリミアは出向いて行ったのだった。






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