第167話 魔族の幹部


ミアリミアがカエルたち爬虫類と離別していたほぼ同時期。魔王城の在る王都直轄領に隣接する宰相の糞便だらけの領地、ハエ侯爵ベルゼバビデブの居城、便池城の会議室に魔族の大臣など主だった幹部連中が集まっていた。


ハエ侯爵ベルゼバビデブ宰相を筆頭に、死霊侯爵リッチモンドセレク、巨人侯爵ギガントロール、鬼女侯爵のオニーバーバ、人狼侯爵ウルフルワー、の5大侯爵の現大臣達である。


魔族国の現宰相がベルゼバビデブである。容姿はハエそのものを大きくし2足歩行にしたような感じだが現魔王のミリアよりも強い。蠅なので当然糞便を食糧にしている。もちろん腐敗したものも大好物だ。現魔王のミリアは臭くて不潔なので大嫌いだったのだが先代魔王の父が残した遺臣であるため我慢していた。



「あのバカ娘が魔王など我慢ならん!世襲がいかんのだ!世襲が!先代魔王様もなにをとち狂ってあのような小便臭い小娘を魔王の後継者に指名したのやら。魔族は力で統べるものだと言うのに。」

「さよう、宰相殿の仰る通りですな。調和政策をとって人口を増やしましょう。とか寝言を言ってましたなあの小娘。」

「そうじゃ!全く世襲がいけんのじゃ。儂らは力でのし上がる種族じゃけえの。あんなひ弱な小娘の下になんぞ付きとうないわい!」

「あのクソアマ!よくも妾を東の大陸の指揮官から外してくれおって!大森林に居る獣人たちをいたぶって食い殺して遊びたかったのにさ。」

「弱い種族と調和など虫唾が走りますねェ。弱者など我ら強者に狩られるために生まれてきたのです。我らは狩って狩りまくるのみですヨ。」



「皆の意見はわかった。謀反を起し我らで魔王直轄領に攻め込み、魔王城を取り囲みあの小娘を殺すぞ!そして我らの様な強者のみで統べる理想の魔族国をつくるのだ!」」

「我も理想の実現の為お供しましょうぞ、ベルゼバビデブ殿。」

「城壁など儂に任しておけ。一発で粉々じゃけえの。ガハハッ。」

「あのアマ逃がしはしないよ!ぶち殺してぐちゃぐちゃに噛みちぎってやる!」

「我らの理想が実現するのですねェ。狩りに行くのが楽しみですヨ。」

「「「「「敵は魔王城にあり!!」」」」」


こうして魔王の幹部たちによる謀反は起こった。


その他の伯爵以下の下位魔族は上位魔族に黙って従うのみ。魔王ミリアよりも強い宰相ベルゼバビデブに従うしかない。階級の上位に物申す資格など無いというのが魔族のしきたりである。ならば上位の魔王にも従えって話だが、そこは下衆どもの自己中の考える事なので当然身勝手なのだ。



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