第204話 魔法大女

「きゃみきゃみぱりんぴー♪くるくるびーむぅ♪」


俺の目の前にピンクのひらひらにパンツが見えそうなミニスカートを身に着けた魔法少女の格好をした女が居る。回転するたびにちらりちらりとあざとく白いパンツを見せつけている。きゃぴきゃぴしたかわいい仕草でハートのステッキをくるくると振ってポーズをとっていた。


いや女なんだが俺よりずっと背が高い。190はあるだろうか。顔だちも別に悪くはないし、スタイルもでかいだけで整ってはいるのだが、全くもって1つも可愛くない!


魔法少女は何故“少女”でなければいけないのか?宇宙の真理を悟った瞬間である。


「で、そこの魔法大女よ。俺に何の用だ?」

「魔法大女ってなんですかぁ?ウチは魔法少女“らみりん”ですぅ。」

「用がないならキモいんでもう帰ってくれないか?」

「ありまぁすぅ。ウチを御使い様の専属魔法少女に雇ってくださいですぅ。」

「仕官を求めに来たのか。何ができるんだ?」

「らみりんはぁ、爆破の魔法が得意なのですぅ。」

「雇っても良いが傍に置くには物騒だな。そうだな、オタカ直轄区のサイハテ地区に鉱山があるからそこで採掘の発破をやるのだ。それなら雇おう。」

「わかりましたぁ。鉱山ちゃんはらみりんの魔法でお仕置きよぅ♪」

「うん、まあ大いにお仕置きしてくれたまえ。アメシスト手配を頼む。」

「はい、畏まりました。ソウシ様。魔法大女さん。手続しますのでこちらにどうぞ。」

「魔法大女違いますぅ。らみりんは魔法少女なんですぅ。」

「はいはい、分りましたから早く。ソウシ様は忙しい御方なのですから。」



魔法ヒゲオ


次の面会者は魔法髭男だった。青々としたケツアゴにもみあげが繋がった頬髯、大胸筋と股間がもっこりふくれたレオタード姿で歌って踊り始めようとした。けつあごの割れ目の髭はどうやって剃るんだとか考える余裕もなかった。何着てたって自由だが俺の前に現れんな!見えない所でやれ!


「むむむむ、もうやめ!ウプッ。もういい!オエッ。今後魔法何とかはアメシストが面接して採用判断しろ!本物の魔法少女だけにしか会わんぞ俺は!ムゥップッ。」

「はい、畏まりました。お任せくだ・・。」


そこまで言い切ると俺はパタンと力尽きた。


「キャアァ!ソウシ様!ソウシ様っ!たいへんです!ソウシ様がお倒れに!」



気持ち悪すぎて意識を失った俺はベッドに運ばれ寝かされたようだ。アリスが片時も離れず胸に抱いて看病していてやっと目が覚めたのだが大変な事態になっていた。


「ありしゅありしゅ!いやしてぇいやしてぇ!」

「はいはい、ソウシさまはあまえんぼうさんでしゅね。」

「すーはーすーはー。くんくん。ありしゅいいにおい。」

「よちよち、ソウシさまおっぱいのみまちゅか?」

「うん、おっぱいのむぅ。」

「ではドライアドのリアさんの所へ行きましょう。」

「うん、いくぅ。」


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