第44話 お菓子の量産体制

翌朝、朝食後。


「「「お茶をお持ちいたしました。」」」


俺はアリスとお茶しながら喋っていた。俺はきゅぴぃを抱っこしてなでている、もふもふ成分が枯渇していたからだ。


「白黒エルフの里の物資も揃ってきたし、お菓子工場をエリス神殿街に創るか。」

「ミルクと卵があれば、お菓子の幅が広がりますしね、ソウシ様。」

「うん、リンゴやブドウと言ったお菓子に使える素材も多く産出しているしな。」

「今度ソウシ様にアップルパイを焼いて差し上げますね。」

「俺はあれが大好きなんだ、リンゴの香りとサクサク食感がたまらない。楽しみだよアリス。」

「はい、きゅぴぃちゃんにはスイートキャロットケーキをつくってあげましょうね。」

「きゅぴっぴぃ!」

「アンテナショップとして、メルヘンチックなお菓子の家のお店でも出そうか。」

「出来立てが味わえますし良いお考えです。ソウシ様。」


先にお菓子工場の人員を募集しておいたら、既にエルフの女性が応募に殺到、手続きの事務処理を任せた族長達が女性恐怖症に陥る一歩前だそうだ。世に中には女性に囲まれたい人も沢山いるんだ、まあがんばれ。昨日行ったばかりのマーメイド達からも応募が来ているそうだ。


建設作業員は男中心に応募が来てたから、女の良い雇用先にもなるだろう。大抵の女性は甘いものに目が無いしな。場所は南東あたりでいいか。アリスとお供のアクアマリンと共に向かう。


「ドールクリエイト!ドールハウス!食品工場!」MP50000。


ドドドーーーン!


巨大な食品加工場が現れた。食品工場とあるが、まずはお菓子中心に生産する。目ざといサカイアキンドが飛びつくに違いない。


制服は隙間が無い白の上下と目以外は出ないずきんで髪の毛一本も落とさない、食用の消毒の霧を通らないと中にはなんぴとたりとも入れない、衛生管理はばっちりだ。


あとは、アンテナショップも創っておくか。イメージして創造する。


「ドールクリエイト!ドールハウス!お菓子の家!」


壁はクッキー、屋根はチョコレート、窓は薄い飴細工で出来たお菓子の家が現れた。ちょこれぇととフルーツの甘い香りがする。ん?香り?


「とてもいい香りですね、ソウシ様。」

「アリス、俺ミスったわ。匂いまで創造してしまった。」

「良いではありませんか、香りも味の内ですよ。」

「まあ、匂いが看板代わりになるって事でいいか?」

「はい、ソウシ様。」


既に近場のエルフの女性がまるでゾンビの様にふらぁ~っと寄ってきている。なんか危険を感じて俺たちはその場を離れた。これ店員選定したら漏れた女性に族長達刺されるんじゃないかな。


あとは腕のいいパティシエが必要だな。



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