第43話 マーメイドとビキニと要塞③
コーラルピンク色の髪色のおとなしそうな女の子はじっと控えていた。
「マリリン、君はエリス神殿の巫女になりたいのか?陸に上がったままで大丈夫?干からびたりしない?」
「大丈夫です。エリス様の巫女になりたいです。どうか宜しくお願いします。御使い様。」
「わかった、歓迎するよ。帰りに馬車に乗せて行くから支度しておくといい。」
「はい、畏まりました。御使い様。」
「ところで族長、この砂浜の景観はそのまま残すとして。左手の岩場を少し借りていいか?」
「勿論でございます、御使い様のお好きな様にお使いください。」
んじゃいっちょやるか。入り江の右はなめらか綺麗砂浜になっていて左手は岩山がごつごつしている。左手に向かって歩いて行く。地形的にこの辺でいいな。
「ドールクリエイト!港湾要塞!」MP150000。
ドドドドバシャーン!
「み、御使い様!これはなんで、ご、ございましょうや?」
落ち着き払っていた族長もさすがに驚いている。他のマーメイドたちは足が魚になってピチピチしている。彼女らの名誉のためにこれ以上は言うまい。
「これは港湾要塞と言ってな、港とそれに伴う水上の防御用の拠点なんだ。普通の港としても船の出入りは出来る。だがさっきの魔物みたいなのがまた来たら大変だろ?この要塞は敵勢反応が近付いたら自動で迎撃する仕組みなんだ。もう二度とイカだの足のはえた魚なんぞに襲われることはない。」
「御使い様、これほどのお力をお使い下さりお礼の申し上げようも御座いません。ただただエリス様に感謝するばかりでございます。」
マーメイドの女子たちはみな平伏している。足は未だお魚さんのままで。
「そうだな、エリス様の忘れ去られた御名をまた皆が忘れぬように、エリス水上要塞と名付けよう。」
「エリス水上要塞、しかと胸に刻みましてございまする。」
「あとはそうだな、少し沖合に養殖場を作るか。海苔とマグロでいいか?マーメイドたちの産業にしてくれ。他の部族にもおいしい海の幸を食べさせてやってくれ。」
「何から何まで有難うございます。承知いたしました、御使い様。」
「ドールクリエイト!ドールハウス!養殖場!」MP60000×2。
バシャバシャーーン!
2つの養殖場が現れた、海苔とマグロときたら鉄火巻きだろ。異世界でも寿司が流行っちゃうかもな。アイライクスシィーとかな、あはは。
その後アリスと綺麗な海岸で戯れて遊んだ。女しか居ない場所だからとアリスは恥らいながら貝殻ビキニ姿を見せてくれた。ご褒美である。
「とても綺麗だよアリス。」
アリスのすべすべの肩をそっと撫で、背中を指でツツーッとなぞる。アリスはビクっと身を悶えて頬を赤らめる。
「ソウシさまぁ、アリスもう立っていられませんですぅ。」
アリスはフローラルな吐息をまき散らしながら俺の胸に体を預けてくる。セクシーなアリス超かわいい。
◇
◇
その後、マリリンを連れてエリス神殿街に戻ってきた。エルリーナとダクネにマリリンを紹介し、エリス神殿に預けてきた。2人は巫女仲間が増えたと大いに喜んでいた。今夜はガールズトークで盛り上がることだろう。
今日は遊び過ぎて夜遅くなったので、お風呂に入ってエリス様にお祈りして寝た。
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