第106話 ゼネコンのアップグレード

ビッチーナが贖罪に旅立ったあと、俺は獣人区めぐりを再開した。焼け出されたアライグマ獣人区、ハリネズミ獣人区、タヌキ獣人区の復興も急速に進んでいる。エメラルドとフェリアが緑化魔法のタッグで元の森林の80%は回復している。あとはゲンサンの仕事だ。


俺とアリスがソファーでお茶をしながらいちゃいちゃ寛いでいると、そのゲンサンから通信が入った。


アメシストが通信機を持ってやってくる。


「ソウシ様、ゲンサンより通信が入っております。如何なさいますか?」

「うん、出よう。」


「ゲンサンか、焼け出された獣人区の復興は進んでいるか?」

「瓦礫を片付けて整地が大方すんだとこでやす、上物はこれからでさぁ。マスター。」

「そうか、何かあったのか?」

「各区獣人から募集した建設作業員の応募が増え過ぎてしまいやしたんで、中規模ゼネコンじゃ収容も機材もオーダーも色々と追いつかなくなったんでさぁ。何とかしてくれねえですかい?」

「ああ、中規模じゃオプションの機材も足りないのか、わかった昼過ぎに行くから、それまでに人を避けておいてくれ。」

「ありがてえ、お待ちしておりやす。マスター。」


ゲンサンの場合ビル位なら自分達で建てられるのだが、ドールハウスオプションの機材や計器類までは創れない。主要建造物は俺が創造すると決めているので、昼食後にアリスと一緒に向かった。



「ようこそお越しくださいやした、マスター。」

「ゲンサンよ、建築会社大盛況だな。」

「エリス神殿街の発展が早すぎてこっちが追い付かねえんでやすよ。」

「そうか、嬉しい悲鳴ってことにしといてくれ。」

「わかってまさぁ、人は全部避けておいたんでおねげえいたしやす、マスター。」

「現場監督とか人員も必要だろう、何名いる?」

「そうさな、設計20事務20の監督40~50名くらいですかねぇ。」

「わかった。」


「ドールハウス!ゼネコン!(大)」MP5000000。


ドドドドドドドドーーーーン!


地上100階の総合建築会社のビルが創造された。地上には沢山の重機が溢れかえっている。魔物がかわいく見えるとても大きなウルトラ重機も有るよ。


「いつみてもマスターのお手並みは見事でやすねぇ。」


「ドールクリエイト!設計×20事務×20現場監督×50!」MP90000。


イメージしてからそう唱えると、ピカッと一瞬光り輝き目の前に人のようなものがズラリと現れた。全員安全+第一ヘルメットをしっかりかぶっている。


「君達はこれよりこのゲンサンお指揮下に入り、このゼネコンを維持管理してくれたまえ。解っていると思うが危険な現場も有る、社員の安全管理はしっかりとな。」

「「「「「はい、畏まりました。マスター。」」」」」

「マスター有難うごぜええやす、これでオーダーに耐えられやす。応募に来たタコすけどもも受け入れてやれますぜ、街道も同時に拡張できやす。」

「そうだった、街道はアシヤ区まで直通が無いからそこを最優先で頼むよ。」

「畏まりやした。マスター。」


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