第147話 サラマンダーは痴漢?


洞窟を進んでいくと崩落現場にぶち当たった。トパーズの土魔法で洞窟を修復して進む。だんだん気温が上がってきた。火トカゲが近くに居るんだろう。そして。


「あっつ、暑くて近づけん。そう言えば熱も遮断できるんだった。」


「ドールプロテクション!」


真っ赤なでっかいドラゴンみたいなのが岩と岩の間に挟まってもがいていた。


「ソウシ様、あれはサラマンダーです。ウンディーネと同格の大山脈の精霊です。」

「精霊が何でもがいてんだ?ん?尻が裂け目に嵌まって動けないのか。トパーズ出してやってくれ。」

「あい、ソウシ様。アースショック!」


ドッパーーン!


トパーズの土魔法のショック攻撃でサラマンダーの周囲の岩を砕いた。サラマンダーは収束してヒト型になって目の前に現れた。赤い服をまとった背の高いきりりとしたイケメンだった。


「助かりました御使い様。私は大山脈の精霊サラマンダーのサラにござる。足をクレバスに取られて滑り落ちてしまいまして。お尻がスポッと嵌まって抜けられなかったのでござるよ。」

「お前まで俺を知ってるのか?」

「友達の精霊シルフィードに聞いたでござるよ。あいつは風に乗って何処へでも行くから物知りでして。一目でわかる別嬪な女人がそばに居たらそれが御使い様だと言っていましたので。我らの創造主のエリス様の御使い様なのでござろう?」

「アリスが目印なのか、なるほど。使いではないがエリス様は見知っているよ。」

「お礼に私の体液を飲・・。」

「みなまで言うな!わかっている、アソコから出すんだろう?」

「何故わかるのですか?」

「そりゃ3回目ともなればわかるよ。」

「ソウシ様、サラマンダーの体液は体力気力MAX効果、筋力最大値UP・・。」

「嫌だ!男のアレをしゃぶるなんて死んでもごめんだ!絶対に嫌だ!」

「私が採取し・・。」

「ダメだ!アリスにあんなものを触らせられん。触ったら俺ショックで死ぬ!」

「ソウシ様、何か誤解しているようですけれど。サラマンダーは女性型の精霊ですよ?」

「え?だって胸ないじゃん。」

「私はサラシを巻いているのでござるよ。」


しゅるしゅる、ぷるん。サラがサラシをサラサラほどくと2つのお椀がぷるんぷるんと揺れていた。あんなのがサラシで本当に隠せるのか?俺が腑に落ちない納得いかなそうな顔をしていると。


「私はついてないでござるよ、ほら。」


サラはズボンを下ろした。そこには綺麗に真っ直ぐなクレバスが刻まれていた。クレバスの両脇には申し訳程度に赤いビロード絨毯が敷いてあった。見事な女の子のお持ち物である。俺は手のひらを反してしれっと言った。


「うん、飲んでみようかな。折角のご厚意だし。断っちゃ悪いよね。」

「それじゃ御使い様、そこに仰向けに寝て下さい。」

「君達精霊って人の顔にひっかけるのホント好きだよね?」

「サラさん、ソウシ様のお顔にかけてはいけませんよ。こちらに来てください。」

「はい。」


洞窟で隠れる所が無いので、少し離れたところでしゃがんでグラスにシャーしてるよ。トパーズは岩でテーブルセットを設えている。あ、最後にチョロッと出して終わったみたい。アリスがトレーに乗せて運んでくる。赤オレンジ色で透き通っていてとても綺麗だ。俺は恋人ストローを創造しておく。


「どうぞ、ソウシ様。ご賞味ください。」

「うん、アリスと一緒に飲むよ。」


アリスと並んで顔を寄せて頬をくっつけチューっと啜る。アリスのほっぺはもちもちですべすべだ。かわいい。


「うまああーい。スパイシィでパンチが効いている、のど越しちりちり、後味はビターな甘味と芳香な味わい。これはコーヒーの様な大人の味だ。」

「美味しいですね、ソウシ様。」


「御使い様、聖女様。美味しいって言ってくれて嬉しいでござるよ。」



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