第146話 ドワーフ鍛冶集団
朝、アメシストがファイル片手に報告しに来た。
「ソウシ様、監獄送りになった勇者一行の刑が決まりましたのでご報告致します。」
「ああ、そう言えばそんなの居たな。」
「はい、まず勇者一行の4人は無銭飲食で詐欺罪を適用、最初から支払う意思無く店から高価な飲食物を騙し取ったと見做されました。勇者の暴行を止めもせず傍観していた3人は酌量の余地無しとして禁固5年の刑となりました。勇者本人はそれに加え傷害罪、相手が2人で1人は重傷の為殺人未遂で量刑を重くし、公務執行妨害を加算し禁固20年の刑となりました。」
「そうか、店で飲み食いしたら金を払う、たったそれだけのことが何故出来んのかね。アキンドにも知らせてやってくれ。」
「はい、畏まりました。ソウシ様。」
アメシストが去って朝食をとった後、俺達は飛行艦艇デルタ型ステルス戦闘艦コモレビでドワーフの所へ飛び立った。馬車で行くには遠すぎたのだ。
世界樹から南はだいたいエリス神殿街の傘下になっている。それより北は中大型動物系獣人が分布していて獣人戦争の時も多くが静観し傘下には入っていない。狼獣人や馬や鹿獣人などだ。大森林の南側3分の2、それに人間の旧3国の区と西の荒れ地北部の熊獣人区が現時点の版図である。獅子と黒豹の所は住民が居ないので戻るまでの間1000年封鎖、豚のクレーターは永久封鎖で石棺にしてある。
そんなこんなでドワーフの洞窟に着いた。ドワーフ族は小さい、男は髭もじゃでずんぐりむっくり。女は小さいだけで髭も無くむっくりもしていない。成人でも10歳程度の身長である。
俺とアリスは洞窟前にうじゃうじゃ騒いでいる髭もじゃの所に歩いて行く。お供はアクアマリンとトパーズだ。
「あんた様は噂の御使い様ではねえですか?」
「俺のことを知っているのか?」
「噂は聞いとります。えらい別嬪の聖女さまを片時も離さねえって噂ですだ。」
「別嬪なのは確かだ。ところで騒がしいようだが何かあったのか?」
「へえ、山さ掘ってたら中にどでけえ火トカゲが出てきたんだす。今みんなで避難して出てきたのす。」
「アリス、火トカゲって魔物か?」
「魔物ならおそらくファイアドレイク。精霊ならばサラマンダーでしょう。どちらも中央山脈に居りますので、判別は見てみない事には分りません。」
「じゃ行くか、アクアマリンはここに残って怪我人を見ててくれ。」
「はぁい、かしこまりましたぁ。ソウシ様。」
俺達は早速洞窟に入って行った。
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