第173話 手巻き寿司パーティー②

俺そっくりの抱き枕ドールを所望したアクアマリンだったが、大事そうに抱きしめて自分の部屋に持ち帰って置いて戻ってきた。


「よし、じゃあみんな好きな飲み物とって乾杯して始めよう。エリス様にかんぱーい!」

「「「エリス様にかんぱーい!」」」

「「「「「チンッ!」」」」」


俺はまずキンキンに冷えたビールを一気に飲み干した。異世界に来てこの味は初めてだ。これはアシヤ区のラガービールだ。メイドール達はお酒に好みがありめいめいに何か飲んで好きなネタを巻いて食べている。誰もサハギンには手を付けていない。あんなのどう食えってんだ?


パールもラピスラズリも成人している。仕草や口調が子供っぽいだけで。この世界は15で成人らしいからな。生まれたてだが一応16歳くらいって感じで創造してある。ちなみに俺はエリス様が創造した肉体であり18くらいになっている。


「ゴクゴグゴク、プハァ!あーうめえ!この一杯の為に生きているって言う人の気持ちがわかるわー。」

「ソウシ様、お腹に何か入れませんと。何か巻きましょうか?」

「ん、そうだな。じゃあ海老で親指ぐらいの太さの極細巻にしてくれるか?アリス。」

「はい。むにっ、くるくるくる。どうぞ、ソウシ様。」


俺はアリスの創った細巻の端っこを咥えるとアリスに細巻の反対側を突き出す。


「ほれ、アリスもそっちから食べろ。」

「はい、ソウシ様。ぱくっ。」

「「もぐもぐもぐもぐ、チュッ。」」

「海老がプリッぷりでおいしかった。アリスのお口もプリッぷりだった。おいちい。」

「いゃん。ソウシ様。アリスまで食べちゃダメですよぅ。めっですよめっ。」


俺はこのアリスのめっが大好きで、めっした時アリスはほっぺを膨らますのだ。桔梗みたいになったこれを押すのが楽しみでわざと軽いいじわるしたりもする。お楽しみのアリス桔梗ポフッをやる。


つんつん。ポフッ。


「もーソウシ様。アリスは桔梗じゃありませんっ。めっですよ。」

「ごめんごめん、ほらアリスの為にサハギンの生足巻いてやるから。」

「いやですぅ、アリスにいぢわるしないでください。ソウシ様。」

「うそうそ、アリスが可愛すぎてつい意地悪したくなっちゃうんだよ。」

「じゃあ、アリスがソウシ様にサハギンのお手てを巻いて差し上げますね。」

「えっ?ヤダヤダ!アリスが悪い子になってしまったぁ!」


酒も回って小学生みたいな事を仕出かしながらいい気分になってきた頃。そこへガーネットがやってきた。


「あの、ソウシ様。先ほどのアリス様とのお寿司の食べ方を私たち全員として頂けないでしょうか?」

「ん?俺と恋人ちゅっちゅ食べをしたいのか?いいぞ、好きなネタを巻いてみんなこっちにおいで。」

「「「はーい!」」」


それからガーネットから順番にモグモグちゅをして行った。メイドール達は顔を赤らめ嬉しそうにキスをしていた。最後にこぼれたイクラを舐め取る者。舌でイカを俺の口ににちゃにちゃ押し込む者、俺の隙をついて最後にタコを吸いだしてしまう者と色々個性が違って面白い。


俺としてはみんなのお口の香りと味が違うのが興味深かった。いくら細巻とはいえ12本の半分も食べたらおなかいっぱいだ。俺はお酒も沢山飲んで眠くなってその場で寝てしまったらしいZZZ


夜中に喉が渇いて起きたら裸にされてキングサイズのベットに寝かされていた。隣にはアリスが俺の腕を抱えて裸で寝ている。俺が風邪をひかないように暖かくしてくれたのだ。アリスは俺のことを一番に考えてくれる優しい良い子だ。俺はアリスの髪をそっと撫でつける。


メイドール達の部屋の方から沢山の嬌声みたいなものが聞こえてきたが、みんな年頃の女の子だからもよおす時も有ろう、今日は聞かなかったことにしよう。




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