第170話 魔族とは?


スクリーンで魔族砦の動画を見ながら俺はアリスといちゃいちゃしながらお茶していた。今日はリス区から取り寄せた胡桃まんじゅうに緑茶だ。甘味と緑茶の渋みがたまらないね。きゅぴぃはまだエリス神殿から帰ってきていないのでもふもふ成分が足りない。アリスはつややかな髪であるがもふもふはしていないのだ。


アリスはそれを察してシマリスさんワンピにお着替えしてきてくれた。う~んもふもふアリスさわり心地が良い。尻尾はワンピースに付属していて大きくリスの様にくるんと巻いてある、カチューシャの小さいお耳も可愛い。俺の膝の上に乗っているアリスの脇の下をこしょこしょすると、アリスは身をくねらせて俺の胸に胡桃を押し付けてコロコロしてくる。シマアリスかわいい。


「ところでアリス、魔王の会話に出てきた海竜ってなんだ?」

「恐らくリバイアサンの事を魔族の間ではそう呼んでいるのでしょう。ソウシ様。」

「ああ、あのウチの城の尖塔に飾ってあるでかい魔石の持ち主か。そんなやつらが何故魔王の玉璽を欲しがったんだろうな。て言うか喋れたんだな魔物って。」

「玉璽を欲しがる理由までは解りませんが、魔物は喋れるものが居ります。魔王が玉璽を持つのでは無く、玉璽を持つ者が魔王となることは確かなようです。ソウシ様。」

「なるほどな、魔王は強くないといけないからとかそういうしきたりなんだろ。という事はこのバンパイアの魔王を玉座から追い落とした宰相のベルゼ何とかは玉璽を手に入れない限り反逆者のまま魔王に成れない訳だな。」

「ベルゼバビデブ宰相です。はい、玉璽が無いと魔王は名乗れません。ソウシ様。」

「舌噛みそうだな。とにかくそいつらを一度見てみようか。パールにラピスラズリ。出してくれ、そしてそのまま監視対象で頼むわ。」

「「はい、ソウシ様。かしこまりましたですの。のです。」」


パールの持つ大きな真珠の真珠玉とラピスラズリで出来た神秘玉をラピスが操ると、魔王城の映像がスクリーンに写し出された。


魔王城は濃い紫色の毒々しい沼地に囲まれ城は墨を流しったように真っ黒でおどろおどろしい感じだった、周りには屍肉を食らうカラスがギャアギャアと不気味な声で飛んでいる。これぞいかにもザ・魔王の城って感じだ。


玉座の間を映すとそこには人間サイズのでかいハエが座っていた。隣には幽霊のように半透明の骸骨みたいな顔をしたやつが居て、玉座の手前には包丁を持ち山姥みたいな怖い顔のBBAと爪と牙の鋭い真っ黒な毛並の狼男が居た。そして画面を引くとどでかい巨人の男が映った。




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