第121話 オタカは揺れているか?

アリスとアフタヌーンティーしていたらガーネットがやってきた。


「ソウシ様。衛士詰所より連絡がありました。」

「どうした?」


「はっ、勇者一行がアキンド殿の経営するレストランにて無銭飲食の上ウサギ獣人の店員に暴行を働いたそうです。その店員はクロサメ病院に担ぎ込まれ一命は取り留めたものの頭蓋骨陥没の上脳挫傷で意識不明の重体だそうです。暴行を目撃したリス獣人の女性店員はショックで心的ストレス障害を発症し同じくクロサメ病院に入院。暴行を行った勇者一行は駆け付けた衛士に取り押さえられ詰所の仮牢に収容。現在取り調べ中との事です。」


「フン、まったくバカは度し難い。こうしてみると金を渋る奴にはロクな奴が居ないよな?アリス。」

「そうですね、対価を支払うという感覚が欠如している者は行動も異常です。店員さんが心配ですね。ソウシ様。」

「脳挫傷か、普通なら死んでもおかしくない大怪我だ。勇者の馬鹿力でやられたんだな。だが患者はクロサメに任せておけば大丈夫だろう。女の子の方のトラウマは続くかもしれんな。」


そこへアメシストが通信機を持ってやってきた。


「ソウシ様、先日ゴミ爆撃に飛び立ったトパーズから通信が入りました。」


俺は通信機を受け取る。


「何とか国に行ったんだっけ?それでトパーズどうなった?」

「オタカ王国です、ソウシ様。状況を報告いたします。オタカ王宮にゴミ爆撃した後損害請求をしたらオタカ国王はお高くとまって請求を拒否し、エリス神殿街を焼打ちすると逆に恫喝してきました。」


「また火か、ロクデナシは火付けが好きだなまったく。それでどうした?」

「あい、それであたしは近衛と共に数日魔物を狩ってきて、魔物の臓物カクテルを王宮の周囲を徳利状に囲った上で流し込みました。」


「うん、見ものだろうなそれは。わざわざ魔物狩ったのか、アリスが持ってる魔物持たせていけばよかったな。」

「はい、それでも損害請求を拒否したため、あたしの土魔法アースクエイクで臓物カクテルシェイクしてやりました。」

「そりゃ傑作だな、あはは。」


「そしたら白旗を上げて降伏して来て現在に至ります。オタカ国王は目を回して魔物の臓物まみれで這い出て来て目の前に居ます。この国如何しますか?ソウシ様。」


「そうだな、オタカ国はエリス様の街を焼打ちすると言ったんだな?後顧の憂いを除くためにもそんな危険な国は解体してしまおう。暫定区として行政官を送るから着いたら交代してトパーズと近衛たちは戻って来い。その時国王以下貴族どもも連行して来てくれ。処分を下す。」

「あい、了解しました。ソウシ様。」


オタカ国は自滅だな。エリス神殿街にくだらぬちょっかいを出して自爆しこの日滅亡してしまった。



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