反論
「失礼します」
休憩時間。わたしは協会長に呼ばれ、協会長室に来ていた。
とても緊張する。
「これはなんだ」
ポス、という音を立て、足元に封筒が投げられた。それには、わたしの履歴書が入っている。
「一体どういうつもりだ」
「…正式に、ここで働かせていただ」
わたしの言葉は、机を思い切り叩く音によって途切れた。叔父は相当怒っている。怖い。
「ふざけるのもいい加減にしろ!! 柊の名に泥を塗るつもりか、この落ちこぼれが!!」
「わた、」
「大体、社員になれるのはCランク以上だ。お前はランクすらないだろう!」
肩をワナワナ震わせている相手になにかを言うのはとても怖い。意を決して口を開く。
「…叔父さま。わたしはもうBランクです。条件は満たしていると思います」
他に問題がありますか? そう付け足した。
叔父は驚いた顔をしている。
「わたしはこのお仕事に、やりがいを見つけました。それに叔父さまは、死ぬまで死神を続けろと、辞めることは許さないと、そうおっしゃいましたよね」
声が震える。
「わたしは来春から、社員として、このお仕事を続けたいです。…失礼します」
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