教育係


 学校が終わると、そそくさと協会へ向かう。


「…あれ?」


 わたしはふと考える。


 黒崎くんは学校を休んでいた。ということは、仕事も? だとしたら、まだひとりで仕事をする資格のないわたしは、どうなるんだろう? 黒崎くんの代理がつくの?


 協会が見え始めた時。


「背中に猫乗ってるぞ」


 聞き慣れた声が後ろから聞こえた。


「黒崎くん…!」


「変な顔」


「え。…じゃなくて、どうしてここに?」


「は? 仕事に決まってる。仕事をするの出来ないコを育てないといけないんでね」


 そう言った黒崎くんは、白いシャツにデニムという、すごくシンプルな服装をしている。


 初めて私服姿見たかも…。


「ボケっとしてないで、さっさと行くぞ」


「あっ、待って!」


 わたしは慌てて彼に着いていく。


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