叫び

 わたしの、ずっと溜め込んでいた叫び。


 ボロボロと、勝手に涙がこぼれ落ちる。


「なら辞めれば」


「辞めれるものなら辞めてる!辞めれないから今こうして、ここにいるんだよ!わたしは死ぬまで死神でいるしかないの!」


 わたしは一生、 “死神” というものに縛られて生きていくしかない。


 生きていく道を、自由に選ぶ権利なんて、最初からなかった。


 呆れたのだろう。黒崎くんはもう、見向きもしない。


 いつまでも泣いていられないと思いつつも、意思に反して涙は止まらない。


「…お前ら、大変なんだな」


 ぽつりと榊さんが呟く。先ほどの怒りは静まった様子。


 お母さんもいなくなっている。


「俺は…、いつ死ぬんだ?」


「近い将来、ということ以外は一切言えないことになっている」


「そうか。…母さんより先に死ぬとか、一番の親不孝だな」


 静まり返る室内。時計の秒針だけが変わらず音を立てていた。

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