「──じゃあ、わたしゴミ捨ててきます」


「あ、ありがとう…」


 わたしはゴミ箱を持って教室を出る。


「え、黒崎くん…?」


 いつもの場所に、いつもの格好で、彼がいた。


「今日、お休みだよね…?」


「…あ。いつものクセで待ってた…」


「ふふっ。ゴミ捨ててきたら終わりだから、一緒に帰ろう」


「仕方ないな」


「ちょっと待っててね!」


 わたしは1階のゴミ捨て場へ向かう。


 黒崎くん、意外と抜けているところがあるんだなぁ…。


 自然と笑みが零れる。決して悪意からではない。


 黒崎くんの前では気をつけなくちゃ。


 ゴミを捨て、教室へ戻る。


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