誘い…?


 学校はつまらない。勉強して、ご飯を食べて、また勉強して。ほとんど誰とも話さずに過ごす。


 学校が終われば、死神の仕事が待っている。


 今日はどんな人なんだろう。


「おい」


 人生に悔いはないかな。


「聞いてんのか?」


 また殺人だったら嫌だな。


「柊!!」


「!!!!」


 目の前には、ムスッとした黒崎くん。わたしはお弁当を食べながら考え事をしていたせいで、声をかけられていることに気がつかなかったらしい。


 心臓は周りに聞こえてしまうのでは?というくらい、バクバクと大きな音を立てている。


「どっ、どうしたの…?」


「今日、仕事前に寄りたいところがある」


「えっ?」


「HR終わったら来るから」


「え、うん。あっ? 卵焼き…」


 黒崎くんは先日のように、また卵焼きを取っていった。


 …それにしても、いつ一緒に行くことになったんだろう。

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