背後


 5時間目。昼休みに教室に入って感じた、あの違和感がない。見られている感じはするけれど。


 わたしは恐る恐る、斜め後ろの席の田沼くんを見てみる。すると、バチッと目が合ってしまった。慌てて目を逸らす。


 後ろ見てなかった…。


 もう一度、恐る恐る振り向く。今度は、彼の背後を意識して。


 …いない。


「柊、後ろがどうかしたか?」


「っ、ごめんなさい、なんでもないです」


 あまりにも後ろを向くものだから、先生に注意をされてしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る