体育
4時間目は体育。女子はバレーボールで、隣では男子がバスケをしている。
バレーは腕が内出血するから、あまり好きではない。
「柊さん!」
「あっ」
ボールが床に着く寸前で、打ち返した。
「な…、ナイス!」
みんなは一瞬目を丸くしていた。わたしは運動ができないと思われているらしい。
特別できるわけでも、上手いわけでもないが、それなりに一通りはできる。成績はいつも4くらいだ。
「柊さん、いったよ!」
「あ、ハイ!」
わたしが打ち返したボールは、相手コートに落ちた。ホイッスルが鳴る。得点版を見ると、わたしたちが勝ったらしい。
「次の次また試合だから、ボーッとしないでね」
ポンっと肩を叩かれる。ボーッとしていたわけではないのになと思いながらも謝った。
実は今朝からずっと、誰かに見られているような気がしてならないのだ。気のせいだとは思うけど、どうしても気になってしまう。
相手をずっと見ていることはあっても、学校にいるほとんどを空気のように過ごしているわたしにとって、見られていることは滅多にない。
なんだか不思議な感覚だ。…気持ちの良いものではないけれど。
「ごめん! ちょっと時間がないから、今やってるしたいで終わるね!」
先生が申し訳なさそうな顔をして謝る。時計を見ると、鐘が鳴る5分前。体育は片付けや着替えがあるため、いつも10分前には終わっている。
試合が終了し、慌ただしく授業が終わった。
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