リスト整理


 前回の続きからリストを確認していく。会話なんてない。リストがきちんと順番に綴じられているか、抜けているリストはないか。少しでも気を抜くと、見落としてしまいそう。


「柊ってさ」


「え?」


 珍しく黒崎くんが口を開いた。


「断ったりしないの」


「どうして?」


「言っといてなんだけどさっき、卵焼きねって言っても断らなかったから」


「だって卵焼きはまいにちお弁当に入れてるもん。すごい嫌なことを頼まれたら、それはちゃんと断るよ?」


「ふーん」


 わたしは再びリストに視線を落とす。今のところ、順調に進んでいる。次のファイルを手に取り、確認していく。この作業が3時間近く続いた。


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