帰りのキッカケ
ホームルームが終わって教室を出ると、いつものように腕を組んで壁にもたれかかっている黒崎くんがいた。
「黒崎くん」
「ん…、あぁ、行くぞ」
「え?」
「なに」
「今日、ないよ?」
「は?」
黒崎くんは眉間に皺を寄せ、携帯を見る。
「…僕だけだった。ごめん」
「大丈夫。…せっかく待っててくれたから、途中まで一緒に帰ろう?」
「いいよ」
こうして、わたしは黒崎くんと一緒に帰ることになった。
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