朝ご飯


 シャワーを浴びてお風呂場を出ると、皺のない制服がかけられていた。シャワーを浴びている間に、アイロンをかけてくれたらしい。


 髪を乾かして、制服に身を包む。


「叔母さま、アイロンがけ、ありがとうございます」


「いいのよ。さあさ、冷めないうちに召し上がれ」


 テーブルの上には出来立てのご飯。


「叔母さまは?」


「わたしは後で食べるわ」


「そうですか。…いただきます」


 玄米とお味噌汁、焼き鮭。普段の食パン一枚と比べたら、その差がすごい。


「また、パン一枚とかしかたべてないんでしょう?」


「えっ」


「朝はしっかり食べなきゃだめよ?」


「ハイ…」


 叔母にはお見通しらしい。彼女は寂しそうな、悲しそうな、そんな感じの表情を浮かべていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る