精神的疲労


「疲れた…」


 家に帰るなり、電気も暖房もつけず、自室のベッドに倒れ込む。


 肉体的疲労よりも、精神的疲労が強い。今日は初めて叔父に意見したのだ。深くため息をつく。


「さむっ」


 暖房をつけに行く気力がなくて布団にくるまってモゾモゾしていると、携帯が鳴った。


「?」


 迷惑メールかと思いながら画面を見ると、思いもよらぬ人からだった。あわててメールを開く。


『叔母さんに、琴音がBランクまで昇格したって聞いた。おめでとう。これからも頑張りなよ。宮田』


「奈々ちゃん…」


 彼女からのメールが嬉しかったのと同時に、別の思いが芽生えた。なんだかモヤモヤして、はっきりしない気持ち。


 このモヤモヤを、この時は知るよしもなかった。


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