安心感


「なに話してたの」


 休憩が終わり、第3資料室のドアを開けようとしたところで、黒崎くんに声を掛けられた。


「就職のことで少し、ね。一方的に否定されたから、一方的に言い返しちゃった…」


「珍しい」


「自分でもそう思う。けど、すごく怖かった…」


「ふ…。よく頑張ったね」


 優しく頭をポンポンとする黒崎くん。彼にこうされると、妙な安心感に包まれる。


「…うん」


「さ、続きやるぞ」


「今日、どこまで進むかなー…」


 わたしたちはそれぞれの位置につき、作業を始めた。


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