意外性


 昼休み。わたしはお弁当の入った紙袋を手に、教室を出る。すると、ちょうど黒崎くんも教室を出たところだった。


「奇遇だね」


「うん。…それ、」


「お弁当。今持って行こうと思ってたの」


 紙袋を渡す。


「ありがと。…弁当箱、洗って返す」


「え!? いいよ、そのままで!」


 失礼だけど、彼の律儀さに驚いた。


「わざわざ作ってもらったんだから洗う。とりあえずありがと。いただきます」


「あ、うん」


 黒崎くんが教室に入るのを見届け、わたしも教室に入る。


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