ネットから小説家デビュー! 賞金総額600万円、KADOKAWA主催の大型小説コンテスト
7,865 作品
パーティメンバーは全員ボスキャラ!?ゲーム知識を使って破滅エンド回避!
ゲーム知識×ボスキャラ=最強パーティー
目が覚めると、男はとある大作ゲームに出てくるチュートリアルの中ボスに変わっていた。
それもただの中ボスではない。
能力は控えめ。性能はポンコツ。口癖はヒャッハー。
仲間はおろか、友達すらおらず、おまけにチュートリアルで必ず死ぬという素晴らしすぎる凶運まで持ち合わせたクソ雑魚底辺ボスにである。
このままではそう遠くない未来にデッドエンド。故に男は運命への反逆を決意した。
「そんな未来、願い下げだぜクソッタレ!」
とはいえ一介の中ボス風情に、己の運命を覆すだけの力などない。
そこで男は持ち前のゲーム知識を活かして、強い仲間を集めることにしたのだが……。
「あれ? なんかウチのパーティーってボスキャラ多くね?」
最強の裏ボス、みんなのトラウマルートボス、悲しい過去を秘めたグランドルートの中ボスに、孤高の黒騎士…………時に積極的に干渉し、時に偶然の重なりに助けられながらやがて男は『怪物』達を率いる長へと成長していく。
世界の敵を“攻略”し、あらゆる理不尽を「攻略」せよ。
ボスキャラだらけの非常識パーティーが織りなす“もしも”の物語が、今始まる。
大学卒業を控えた赤木英雄(あかぎ ひでお)はパチンカスの兄に奨学金を使いこまれたせいで、莫大な借金を背負ってしまい、卒業後の未来に夢を見出せなくなっていた。
そんな中、彼のもとにダンジョン財団から封筒が届き、彼がダンジョンに挑める選ばれし“探索者”であることが判明した。唯一の特技である指パッチンがスキルとして昇華し、平凡スキル『フィンガースナップ』の獲得に成功すると、一獲千金を狙ってダンジョンへ挑んだ。
指パッチンをできる人間ならだれでも使えるという平凡すぎる能力で頑張るがすべては徒労に終わる。命中率がやたら高いだけで、戦闘ではほとんど役に立たないのだ。諦めかけたその時、英雄のまえにデイリーミッションなるウィンドウが現れるのだった。
ライトノベル、Web小説の両方で生まれた当初から根強い人気を誇り続ける現代ファンタジー。今年の当部門では、ここ数年のトレンドである「現代ダンジョン」を中心に、異能バトル、VRMMO、前世異世界、魔法少女モノと、多様なジャンルが揃っていて、非常に選考に悩まされました。ご応募、ありがとうございました。
その中で、『俺だけデイリーミッションがあるダンジョン生活』はある意味王道の現代ダンジョン小説です。しかし、その中で【外れスキル】【俺だけの特別スキル】【勘違い最強】【アイテム】といったWeb小説、ライトノベルの双方で人気の要素が高水準でまとまっておりました。その中でも、“デイリーミッション”という要素は時代性と新規性の二軸を兼ね備えた魅力的な設定でした。そのうえで、どこかコメディチックな書き味と、爽快感がある戦闘&スキルアップ描写が揃ったことで、読んでいて次の話に行くときに常にワクワクさせる、大賞にふさわしい作品だと自信をもって押し出せます。
現代ファンタジーは多くのエンタメで根強い人気のあるジャンルです。『俺だけデイリーミッションがあるダンジョン生活』がライトノベルでも人気の作品になるよう、編集部一同送り出すので、楽しみにしていてください! また、カクヨムやコンテストではいつでも魅力的な作品をお待ちしております。あなたの発想で世の読者さんに“新しい物語”を届けましょう!
ファンタジア文庫編集部
幼なじみのひなに巻き込まれて事故死した加奈は、乙女アプリゲームの悪役令嬢“コーデリア”に生まれ変わっていた。コーデリアの婚約者は最愛の推し・アイザック王子。だが彼はいずれ聖女に心奪われ、婚約破棄される運命。
コーデリアは自分の運命に悲しみ、そして決めた。
「どうせ婚約破棄されるなら、それまで思いっきり彼との薔薇色生活を楽しみますわ!」と。
抜群の美貌を備え、女神から「努力した分だけ報われる」というお墨付きももらったコーデリアは、婚約破棄に備えてせっせと魔力を磨き始める。さらに前世(広報部)の豆知識を使いながらまめまめしくつくしているうちに、何やらアイザックの様子がおかしくなり始め……? しまいには「婚約破棄したくない」と言い出した!
「一体何が起こっていますの……!?」
恋愛を経て成長する主人公を描く、「恋愛(ラブロマンス)部門」。今回も幅広い舞台設定の中で、恋をする楽しさや、逆境を乗り越える力強さを感じさせてくれる、数多くの素晴らしい作品が集まりました。
その中で<大賞>を受賞した『広報部出身の悪役令嬢ですが、無表情な王子が「君を手放したくない」と言い出しました』は、主人公の格好良さ、存在感が際立ち、読後感が大変気持ちのよい作品でした。
異世界転生の一大流行ジャンルである「悪役令嬢」でありながら、前世では広報部で働いていた経験を活かし、逆境を快活に解決していく主人公。物語のキャラクターではなく、リアリティのある生きた女性として動き回る姿は、読者をあっという間に物語へと引き込みます。また異世界や乙女ゲームの世界であっても現実とリンクする部分が多く、いつしか主人公に共感し、手に汗握りながら応援したくなること間違いなしでしょう。
流行の要素を押さえながらも、「悪役令嬢コーデリア」の生き様を垣間見ることのできるエンタテインメント性、独自の視点で切り込む筆力の高さを兼ね備えた本作は、大賞を受賞するに相応しい作品です。
次回以降も、読者にときめきと勇気を与えてくれる、魅力あふれる作品と出会えることを、編集部一同とても楽しみにしております。
角川ビーンズ文庫編集部
コンビニに弁当を買いに行っていた時、駐輪場の隣でポツンと小さな女の子が立っていた。誰かを待ってるのかと思い放っておいたのだが、その女の子はずっとそわそわして落ち着かない様子だった。
俺はその女の子を放っておくことができなくなり、最終的にその女の子を家まで送り届けることにした。
無事家まで着いて、インターホンを鳴らすと、玄関から出て来たのは・・・・・・・・・学年一の美少女でした。
ラブコメジャンルが拡大していく昨今、エンタメに富みハイレベルな作品がひしめく中での選考となりました。
今回大賞を受賞するに至った『迷子の女の子を家まで届けたら、玄関から出て来たのは学年一の美少女でした』はヒロイン・綾乃が序盤からデレてくれ、積極的にコミュニケーションを取り我々を甘やかしてくれました。
肯定的に受け止めてくれる、ヒロインの「母性力」が今回高い評価を獲得したポイントとなります。
そして二律背反するかのように、主人公・雄星は勇気が持てず、物語終盤まで行動を起こすことができなかったのも、特筆すべき点でしょう。
一見フラストレーションを溜めるヘタレ主人公にも見えますが、つい応援したくなるかのような愛嬌と、終盤に自分の殻を破り、ヒロインに愛を伝えるシーンは雄星の確かな成長と、強い達成感を体験させてくれました。
ラブコメのジャンルはこれから更に拡大し、今まで敬遠されていたジャンルのヒロインもきっと台頭してくることでしょう。
けれど「可愛い子と恋をしたい」という願望はこれからも変わらないはず。
まだ一般的じゃないけれど、こういう可愛いヒロインを知っているという皆さん、ぜひ教えてください。
整っている必要はありません、どこが可愛いのか、どこが嬉しいのか、みなさんの好きで満ち溢れた作品を拝読したいです。
来年もぜひ次回選考でお会いできるのを楽しみにしています!
ファンタジア文庫編集部
該当なし
職場や学園、歴史などを舞台に、魅力的なキャラクターを描いた小説を募集する部門という特性ゆえに、今回もバラエティに富んだ作品が集まりました。傾向としては「VTuber」に関する作品が多かった第6回に対して、「武将に転生する」物語の多さが目立ちました。
カクヨムコンの募集部門数が限られているため、自分の書いた作品ジャンルの分類に迷った末に、本部門を選んだ方も多かったかもしれません。エンタメとして読者を楽しませることに成功している作品は多いものの、あくまでキャラクターの魅力や関係性に主眼を置いて選考する本部門では、編集部の求める作品とのギャップが生じてしまい、残念ながら大賞は該当作なしという結果となりました。
コンテストの特設ページでは選考に参加する編集部も明記しています。どのレーベルでどんな作品が刊行されているか、人気を集めているかなどを調べると、編集者の求める作品のイメージが浮かび上がり、書籍化やコミカライズに近づけるかも知れません。
大賞こそ出ませんでしたが、昨年に比べて、応募数がもっとも伸張し、賑わいを見せたのも本部門です。とりわけエンタメとしての魅力にあふれる『自作3Dモデルの素材を宣伝するためにVtuberになったら予想外に人気出てしまった』『黄金の経験値』『異世界空港のビストロ店〜JKソラノの料理店再生記〜』の3作品をこの部門の特別賞として選出いたします。
次回もたくさんの意欲作の応募をお待ちしています。
第7回カクヨムWeb小説コンテスト 選考委員一同
この世界には善とも悪とも呼べない、理解不能な神がいる。
毎年身体の一部が村に降ってくる神、姿を現すことなく村人の死後内臓を食い荒らした事実だけを残す神、ダムの底でエレベーターに住まう死者を迎える神、一切の記録がなくただ信仰だけが残る神––––
理解もできず、対処もできず、平穏を脅かす神々と、ただ記録し続けるしかない役所の人間たちの話。
今回新設されたホラー部門、応募作は王道の心霊・オカルトものから、ヒトコワ系、ゾンビもの、民俗学(ネットロア)系、実話怪談風、サバイバル・デスゲームものなど、バラエティに富んだ“ホラー”の形が集まっており、どれも大変楽しく読ませていただきました!
大賞の座を射止めた『領怪神犯』は、そういった様々なホラーの雛形や手法をふんだんに用いつつ、作品の世界観、あるいは現代の価値観に合わせた解釈のアップデートと捻りが効いており、ホラー好きの心を大変くすぐると同時に、オリジナルな魅力が感じられる作品でした。さらに、得体の知れない超常現象である“神々”の説得力ある描き方、そしてそれらに対峙していく役所の人間たちの、一見変わり者ばかりなようでいて確かに血が通ったキャラクター造形など、この世界の手触りがリアルに感じられ、物語への没入感においても大変優れていました。各話で怪異をしっかり魅せつつ、徐々に世界や人物たちの真実が明らかになっていく連作短編の構成も上手く嵌まっており、早く続きを読みたい!と思わせる力に満ちていました。
今回の応募傾向からも分かるように、今日“ホラー”と言ったときに、そこに抱合される内容はかなり幅広く、懐の深い面白いジャンルだと思います。人が何に恐怖を抱き、同時に惹かれてしまうのか――という土台的な部分は、ある程度普遍的な(原型やパターンが存在する)ものですが、その上に、その時々の“現在”に生きる“私たち”の意識に共鳴するような、なにがしかの“今らしさ”を備えた作品が、ホラーの新たな可能性を開いていくのではないかと期待します。
次回もホラー的魅力と、ひとひらの新しい風を感じられる作品を楽しみにしています!
角川文庫キャラクター文芸編集部
該当なし
この度は、「映画・映像化賞」に応募いただき、誠にありがとうございました。大変な熱量のこもった原稿を多数、楽しく拝読させていただきました。カクヨムならではの一話ごとの構成方法、先が気になる仕掛けなど、小説への愛を感じ、書く楽しさを感じる作品が多かったです。
「映画・映像化賞」について、残念ながら今回は「該当なし」とさせていただきましたが授賞には至らなかったものの、『五人の幼馴染』と『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』は、可能性を感じる作品として挙げさせていただきました。
『五人の幼馴染』は登場人物の抱える問題や疑問が随所に散りばめられており、ストーリー展開にメリハリもあり、とても魅力的でした。ラストのどんでん返しも含め、全体を通して高いドラマ性がありましたが、「映像化」という意味ではエンターテイメント作品としての外連味を加えても良いのではないかという意見もあり、受賞次点とさせていただきました。
『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』は大変読みやすく、ホラーというジャンルに恋愛、青春も掛け合わされた小説でした。一つのジャンルにとらわれずに、表現する姿勢がとても好評でした。映像表現が浮かびやすい分、映画化する必然性になるフックがもう一つあるとより良いなという意見がありました。
今回は「該当なし」という結果になりましたが、引き続きカクヨム発映画・映像化作品の発掘は続けていきます。次回もカクヨムならではの新鮮な作品の応募を期待しています。
映像企画制作部門
2022年冬 応募開始 予定
次回コンテストの開催情報は、夏頃を目処に本サイト上で順次お知らせします。
詳細はお知らせブログやカクヨム公式Twitterをご確認ください。
「第7回カクヨムWeb小説コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
選 評
「転移」「転生」「ゲーム世界」「悪役令嬢」「ハーレム」「スローライフ」「追放」といった日々更新されていくミームを駆使して描かれる異世界ファンタジー。Web小説の中でもとりわけ競争が激しいジャンルであるが故に、読者の趣味趣向をとらえるための試行錯誤が研ぎ澄まされた応募作が集まりました。
今回大賞として選出させていただいた『チュートリアルが始まる前に~ボスキャラ達を破滅させない為に俺ができる幾つかの事』は、なにより熱量がすごい作品でした。「ゲームにおける最序盤チュートリアルで必ず死ぬ中ボス」に転生してしまったという設定から始まるのですが、主人公が運命に抗っていく姿がどこまでも熱く格好良い。「この世界の理不尽なお約束なんて全部まとめてブッ潰してやる」、この主人公の口上を裏切ることなく、知恵を振り絞り、苦難を乗り越え、やがて訪れるであろう悲劇の運命をはねのけようとする展開に胸が熱くなります。物語が進むにつれて仲間になっていく「ボスキャラ」たちの設定も個性的で、戦闘描写・スキル能力の設定も魅力的です。
本作は「ゲーム世界転生」というジャンルに分類されるものですが、そのゲームの設定自体も緻密に練り込まれていて、ドラマティックなストーリーを演出することに成功しています。世界観、キャラクター、アイテムやスキル、ゲーム中のTIPSなど、実際にこんなゲームが存在していると感じさせるような細やかなリアリティも素晴らしい点でした。
読者を引き込むストーリーテリング、個性的なキャラクター、能力を駆使した戦闘、奥行きと壮大さを感じさせる世界観。そしてこれらの要素を独特のワードセンスで包み込み、個性と熱量を極めた作品として昇華させていること。これが大賞として推させて頂いた理由となります。
トレンドのレッドオーシャンの中にありながらも、著者の個性を強く感じさせる作品は本作以外にも沢山ありました。今後も熱量を感じさせる小説を編集部一同楽しみにお待ちしております。
電撃の新文芸編集部