概要
改稿・改題の上、
2023年1月25日KADOKAWAメディアワークス文庫様より発売。
2024年3月25日より、コミックシーモアにてコミカライズ 版(作画:町田とし子先生)が配信中。
読んでくださった、応援してくださった皆さま、ありがとうございました!
★★★
ナレーターを志す傍ら、趣味で動画サイトに怪談朗読を投稿している大学生の前野亜瑚は、幼なじみの舘座鬼知景の葬儀に参列するため、故郷の村に帰省する。
そこで亜瑚を待ち受けていたのは、かつての友人、成美からの予期せぬ叱責と罵倒だった。
「あんたのせいで、知景は死んだ」
曰く、亜瑚が朗読として語った故郷の言い伝えが、『忌み話』――つまり話すと祟られる類のものだっ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!鬼か、人か、怨念か。背後に忍び寄ってきたものは——
日本のどこかにある山奥の小さな村。若い子は進学の為に外に出てしまう——。
この物語の舞台は、そんな奥底の少しばかり世間と隔てられた村。
その村出身である主人公の亜瑚は、大学に通いながらナレーターを目指し、趣味で動画サイトに怪談話を投稿していた。
そこでぽつりと語られた、幼い頃の不思議な出来事。
その投稿から恐怖の連鎖が始まるとも知らずに——。
今作は声を大にして正統派のジャパニーズホラーと呼びたい傑作。
村の閉鎖的な仄暗い慣習と人々の繋がり、ミステリーのような徐々に明かされていく真実や、その出来事に呼応するかのようにじりじりと迫ってくる村の古い言い伝え、鬼の祟りの真相。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!哀しくも美しい、鬼と恐怖の物語
幼馴染・舘座鬼知景の訃報を受けて、故郷の紀日村に帰省した前野亜瑚。ナレーターを目指す傍ら、動画投稿サイトで怪談朗読をしていた彼女の日常は、葬儀の席で旧友の成美が叩きつけた、「あんたのせいで、知景は死んだ」という罵声を皮切りにして、急速に崩れ去っていくーー。
非業の死を遂げた親友、鬼の祟りを恐れる村人たちの激昂、家族の密談から漏れ聞こえた「きひ」という謎の言葉。この村で何が起こっているのか、正常な思考の暇さえ与えないまま、度重なる不幸の連鎖は加速していき、亜瑚の周囲を夥しい数の「死」が取り巻いていきます。
お話の見どころは、容赦も慈悲もない圧倒的な怖さと、情感の美しさにあると思います。恐怖…続きを読む - ★★★ Excellent!!!呪いが炙り出す、人間の弱さと強さ。ゾクゾク全開の、業と愛の物語です。
故郷で亡くなった幼馴染みは、「鬼」に祟り殺されたのだ……という衝撃的な幕開けから。村を襲う変死現象に立ち向かうべく、村の伝説に迫る物語。
とにかく、話運びが抜群に面白いです。
凄惨な怪奇現象も怖ければ、「この人も信じられない!?」が連続する人間模様も怖い。インパクト大の展開が序盤から次々と起こり、そのたびに興味も膨れ上がっていきます。陰惨でありつつも加速感の強い、地獄のジェットコースターに心を鷲掴みにされます。
推理・解明パートが入ってくると。民俗学や日本史をフィーチャーしての、「因習」に対する新たな解釈も展開されます。超常的な現象を含みつつも、絶妙に「近いことは実際あったかも」を刺激す…続きを読む