「愛してる」は「怖い」
- ★★★ Excellent!!!
親友の突然の死から始まる異変の数々。
閉鎖的な山村に残る不可解な因習、呪い、祟り、そして『鬼』――ホラー好きなら心躍ること間違いなしといった要素がふんだんに詰め込まれた、読み応えたっぷりの和ホラーです。
ホラーなシーンの生々しさは、血の香りと息遣いを感じるほど濃厚!
また恐怖が訪れるタイミングも鋭く、文字から目を離せば実際に目の前にいるんじゃないかなんて怖いことを考えて、祈るように貪り読んでしまいました。
しかし、物語の根底にあるのは恐怖以上の『愛』。
怖くて苦しくて、痛くて切なくて、なのに先が気になって仕方ない――こんなにも物語に惹き込まれたのは、様々な登場人物達、そして『鬼妃』なる存在に自身の心が共感する部分があったからでしょう。
どうかラストまで、目を離さないでください。
でないとあなたの側でも、新たな『鬼』が目覚めてしまうかもしれませんから。