美味なるパスタに素敵な解説のソース、仄かな恋を添えてさあ召し上がれ!

物語はちょっぴりズボラな主人公・百合子が、イケメンな隣人・萱代さんにパスタを振る舞ってもらったことから始まります。

と聞くと、何だか素敵な恋の予感……なんて胸が躍るでしょう。

しかしこの萱代さん、とんでもなく面倒臭い男なんです!
作ってくれるパスタは絶品ですが、嫌味の言葉も一級品。おまけにパスタの解説を語っている内に世界観に浸り、話が遠くへ飛んだまま戻ってこなくこともしばしばという、困った側面もあります。
ですが百合子は彼の腕だけでなく、彼の口から知るパスタの世界に魅せられ、弟子入りすることに。

様々な出来事と共に、その時その場所その気持ちに相応しいパスタが登場し、自然と自分までもパスタの奥深さにのめり込んでいきました。

ところが、二人の関係はパスタのようにはなかなか茹で上がらない!
このもどかしさに悶絶するのも美味を際立てるスパイスとなって、ニヤニヤしてしまいます。

この物語を読めば皆様もきっと、パスタが食べたい、パスタを作りたいと思うはず。
私も料理が得意な方ではありませんが、好きな人と一緒に食べ、好きな人のために作る料理の大切さを改めて学びました。

ごちそうさまでした!!

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