物語はちょっぴりズボラな主人公・百合子が、イケメンな隣人・萱代さんにパスタを振る舞ってもらったことから始まります。
と聞くと、何だか素敵な恋の予感……なんて胸が躍るでしょう。
しかしこの萱代さん、とんでもなく面倒臭い男なんです!
作ってくれるパスタは絶品ですが、嫌味の言葉も一級品。おまけにパスタの解説を語っている内に世界観に浸り、話が遠くへ飛んだまま戻ってこなくこともしばしばという、困った側面もあります。
ですが百合子は彼の腕だけでなく、彼の口から知るパスタの世界に魅せられ、弟子入りすることに。
様々な出来事と共に、その時その場所その気持ちに相応しいパスタが登場し、自然と自分までもパスタの奥深さにのめり込んでいきました。
ところが、二人の関係はパスタのようにはなかなか茹で上がらない!
このもどかしさに悶絶するのも美味を際立てるスパイスとなって、ニヤニヤしてしまいます。
この物語を読めば皆様もきっと、パスタが食べたい、パスタを作りたいと思うはず。
私も料理が得意な方ではありませんが、好きな人と一緒に食べ、好きな人のために作る料理の大切さを改めて学びました。
ごちそうさまでした!!
お隣に住んでいるイケメン・萱代(かやしろ)さんの作るパスタが凄く美味しくて、弟子入りすることになった会社員・百合子。
いつしか料理を作ることに抵抗を感じていた彼女が、萱代さんとの出会いによって、次第に変化していきます。
萱代さんの作る料理がどれも美味しそうで、専門的な解説もしてくれるので、とても勉強になります。萱代さんの解説で、お料理が二倍以上楽しめてしまいます。
パスタだけでなく、登場するサラダや飲み物も美味しそうで、お腹が鳴ってしまいます。
イケオジ好きの百合子にとっては萱代さんはストライクゾーンよりもちょっと若い感じですが、料理を作っている時の手際の良さや、さりげなく見せてくれる優しさ、男らしさの中に漂う色気もあり、イケオジ素質を秘めているイケメンです!
百合子の同僚をはじめとしたキャラクターも生き生きとしていて、彼らのやり取りを見ているのも楽しいですし、何よりストーリーが凄く綺麗にまとまっています。
ドキドキするシーンもあるほか、ラストの方でも大きな見せ場があり、物語は大きく盛り上がっていきます。
読後にイタリア料理が食べたくなってしまう良作です!
私は作者様のイタリア料理観に、思わず唸ってしまいました。
ぜひ一度読んでみてください!
ひょんなことから隣人の家でパスタをご馳走になることになった百合子。やたらと蘊蓄がうるさいけれど、そのパスタは絶品で、御礼に彼女も料理をご馳走すると息巻いたものの、出来上がったのは——?
料理上手だけれど、今ひとつ内心の見えないイケおじ萱代さんと、彼になんだかんだ美味しいものをごちそうになった上に、強引に弟子入りしてしまう百合子さん。
百合さんは一歩間違えると空気の読めない人になってしまいそうなのに、とにかく美味しそうに食べる様子とちょっととぼけた素直な性格が絶妙で、思わず世話を焼いてしまう萱代さんや後輩の左京寺くんの気持ちもわかってしまう不思議な魅力がある人なのです。
そんな彼女に振る舞われる萱代さんのパスタやそのほかの料理も本当にどれも美味しそう! しかも作っている過程も丁寧に描かれているので(難易度はさておき)自分でも作ってみようかな? と思える——というか、とにかく今日はパスタにする!!! という気分になってしまうこと間違いなしです。
それぞれの料理にまつわる萱代さんの蘊蓄もどれも興味深いものばかり。
いい雰囲気になってきたかな? と思ったところに突然勃発する料理バトルにちょっぴり驚きますが、そこにも料理への真摯な想いが込められているのが伝わってくる一作。
数話ずつのオムニバス形式なので、一話ずつごはん前に読むのもおすすめ。
お話に出てくる料理が食べたくなること間違いなしです!